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行きかふ人も又

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2007.07.23
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カテゴリ:イギリス映画


  1903年のロンドン。新作舞台の不評で気落ちしていた劇作家ジェームズ・バリ(ジョニー)は、散歩に向かった公園で、若い未亡人のシルヴィア(ケイト)と4人の幼い息子たちに出会う。少年たちとすぐに打ち解けたジェームズは、中でもどこか冷めた三男のピーターを気に掛けるようになる。やがてジェームズとシルヴィア親子との交友が深まっていく一方、ジェームズの妻メアリーは疎外感を強め、夫婦の仲は悪化していくのだった・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



  永遠の名作『ピーター・パン』誕生にまつわる実話を描きます。
主演女優賞を受賞した「チョコレート」の衝撃から3年、マーク・フォースター監督が次に撮ったのは、夢の世界を持ち続けたひとり作家の、心温まるストーリーでした。

あざとさはあるけれども雰囲気づくりが上手なので、引くほどではありません。
主演ふたりが素晴らしく、とくにケイト・ウィンスレットの好演があってこそ、ずいぶん印象も良くなっていたように思います。
同じ年製作の「エターナル・サンシャイン」でも、また違った役で好演していましたね~
ジェームズの作品を上演する劇場の支配人役には、10年以上前フック船長を演じたことのあるダスティン・ホフマン。
こういった(たぶん)遊び心を交えたような作りが、実話をファンタジックに綴ることに成功している理由なのかもしれません。


父親が死んで、母親まで病に倒れてしまう4兄弟。
三男・ピーターは早く大人になれば傷つかないと思い込み、子どもらしさを失っていきます。
そんな彼を見守りながら、ジェームズは新作劇「ピーター・パン」への創造を広げ、シナリオは出来上がってゆくのですが・・・


321184_003.jpg finding_neverland_3.jpg



既婚者でありながら、未亡人シルヴィアとその息子達につきっきりのジェームズはたしかに身勝手です。
妻との関係は冷める一方。
価値観の違いとか、夢を見続けていられなくなった妻とか、理由はじゅうぶん察することはできるのだけど、説明少なくそのあたりは展開していきます。
やがて惹かれあうシルヴィアとジェームズの関係も、静かな展開。

現実の世知辛さを十分に描きつつ、映像は幻想的。
当時としては前代未聞のお芝居を、観客たちがどう受け入れるか、そのあたりの描写も上手いと思います。
観客席にまばらに孤児たちを招待して座らせた――というのもきっと事実なのでしょうね~


夢を持ち続けよう!子どもの心を忘れちゃいけないよ!
というのは「ピーター・パン」のメッセージ。
本作は、自分の心に広がる架空の国ネバーランドを、ある家族との出会いによって舞台劇に仕上げることができた、ひとりの心優しい劇作家の物語。
そのジェームズという人を、ジョニー・デップが人間味もって演じると、細部はどうあれ無難に楽しめてしまいます。
ケイト・ウィンスレットは一見の価値ありです。


 

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 監督  マーク・フォースター
 製作  ネリー・ベルフラワー 、リチャード・N・グラッドスタイン
 原作戯曲  アラン・ニー
 脚本  デヴィッド・マギー
 音楽  ヤン・A・P・カチュマレク
 出演  ジョニー・デップ 、ケイト・ウィンスレット
      ジュリー・クリスティ 、ラダ・ミッチェル
      ダスティン・ホフマン 、フレディ・ハイモア

   (カラー/100分)
  







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Last updated  2007.08.05 15:40:27
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