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カテゴリ:映画
2001年7月、ポルトガル。父親に会うため地中海を巡る船旅に出た母娘は、その道中で人類の歴史と文化の足跡に触れる。ポンペイ、アテネ、イスタンブール、エジプト、様々な国の人々との出会った。 ある夜、2人はアメリカ人の船長(マルコビッチ)から船内での夕食の席に招かれる。そこでは、異なった国籍を持つ3人の女性たちが、それぞれ自国の言葉で話しながら楽しく人生を語り合っていた―――。 ドキュメンタリーのようでした。 たくさんの国を巡り、西洋の歴史見つめながら、語り合う母娘。 何気なくつづいていく物語の先に、一変して訪れる衝撃に驚かされます。 前半は一緒に旅をしてるかのように、穏やか。 母が語って聞かせる伝説は、普通の会話で幼い娘とやりとりされるので、字幕を追うのがちょっと大変でした。 飾らない船旅の途中、出会う人々との会話もドキュメンタリーのよう。 ある夜、母娘は船長の友人らと知り合います。 ギリシャ、イタリア、フランスの著名な女性達。 彼女達の会話もさりげなく、マルコビッチやドヌーブでなければ、ドキュメンターかとずっと思ってしまったかもしれません。 唯一、お話なんだ、と気づかせてくれるのが見慣れた二人の顔でした。 彼女達が話すのはそれぞれの母国語です。 このシチュエーションが好きでした。 相手の言ってる事をちゃんと理解して、それに答えるのは自分の国の言語。 日本語しか話せない私には、とんでもなくややこしいと思うのですが・・・マルコビッチ(船長)の英語も交えた4つの言語で会話するなんて、イリュージョンのようです。 そして、ポルトガル人の主人公らも加わったら、なんと5つの言語。 人と人との出会いや繋がりが、ステキに見えてきました。 人と会話を交わすこと、旅の醍醐味ですね。 それにはやっぱり外国語が出来なくちゃならないと思うと、出来ないことが悲しいですが・・ 印象に残ってるのは、 「英語が世界を支配した」そんなような言葉でした。 それぞれに国の言葉を大切にしていきなさい――という監督のメッセージなのかもしれません。 ギリシャの女性が「誰もギリシャ語を話さない」と嘆くのも印象的です。 会話が活きているのは、多言語での会話によってでもあると感じます。 後半、母娘を忘れたかのように、船長とその三人の友人が会話するシーンばかり続きます。 このままどうなっていくのか、想像出来ない、未知数な感じが楽しい。 なんともショッキングなラストシーンに、ド肝を抜かれるまで、あっという間でした。 すごい映画。 ハリウッドにないものがここにはあると思います。 監督・脚本 マノエル・デ・オリヴェイラ 製作 パウロ・ブランコ 撮影 エマニュエル・マシュエル 出演 レオノール・シルヴェイラ 、フィリッパ・ド・アルメイダ ジョン・マルコヴィッチ 、カトリーヌ・ドヌーヴ ステファニア・サンドレッリ 、イレーネ・パパス (カラー/95分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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