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2007.10.07
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カテゴリ:イタリア映画


  2003年、イラク戦争開戦直前のローマ。
2人の娘の父親でもある詩人のアッティリオ(ベニーニ)は、毎晩ある女性との結婚式の夢を見ていた。
彼女の名前はヴィットリア(ブラスキ)。しかし現実の世界では、アッティリオがどんなに自慢の詩で彼女への愛を語ろうが、まるで相手にしてくれないのだった。
ある日、伝記作家である彼女が、イラク人の詩人フアド(レノ)の伝記を仕上げるため、イラク滞在中、爆撃で負傷し意識不明の重体に陥ってしまう。
報せを受けたアッティリオは、危険な戦地へと向かうのだったが・・・。



久しぶりに好きな、ベニーニ作品最新作を観ました。
コメディのなかに愛を感じるのは、いつもと変わらないステキなところ。
イラク戦争によるバグダッドの惨状を描いたシーンもあって、敬愛するエミール・クストリッツァ作品のような雰囲気も持っていたと思います。

素晴らしかった「ライフ・イズ・ビューティフル」には及ばないけれど、こじんまりとまとまったドラマ。
魔法にかかったようなファンタジックな展開は、まるで御伽噺です。
偶然の出来事を、魔法に見せる手腕が好き。
毎晩夢に現れる女性への恋、そして悲劇。最後のサプライズまで、多少、ご都合主義で進みますが、ファンタジーコメディなので気になりませんでした。


バグダッドで負傷し、死にかけている愛する人のために、詩人は取るものも取らずイラクへと向かいます。
空港は閉鎖され、ひとり陸路でイラク入りしたアッティリオは、命の危険も顧みず、意識の戻らない彼女を救うため、医薬品の調達に奔走するのでした。

イラクで彼を助けてくれたのはイラク人詩人・フアド。
ジャン・レノが違和感なく演じています。
彼の自殺の理由が、釈然としないのが残念。
国勢などについて、突っ込んだところはなく、「ライフ・イズ・ビューティフル」でホロコーストの描き方に不満を持った方には、同じように満足いかない触れ方かもしれません。
イタリアでは、政治に関する発言の多いベニーニだと聞きましたが、映画ではやんわりと批判するのが、彼流なのでしょう。
あくまでもファンタジーとコメディの路線を崩すことはありません。


特殊効果で再現される、夢の幻想的なシーン、中東に広がる無限の星空が美しい。
幾度も流れる結婚式の場面に、トム・ウェイツの歌声が情感たっぷりに沁み込みました。





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監督  ロベルト・ベニーニ
製作  ニコレッタ・ブラスキ
製作総指揮  エルダ・フェッリ
脚本  ロベルト・ベニーニ  、ヴィンセンツォ・セラミ
音楽  ニコラ・ピオヴァーニ
出演  ロベルト・ベニーニ 、ニコレッタ・ブラスキ 、ジャン・レノ 、トム・ウェイツ


(カラー/114分)










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Last updated  2007.10.09 01:56:05
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