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カテゴリ:イタリア映画
2003年、イラク戦争開戦直前のローマ。 2人の娘の父親でもある詩人のアッティリオ(ベニーニ)は、毎晩ある女性との結婚式の夢を見ていた。 彼女の名前はヴィットリア(ブラスキ)。しかし現実の世界では、アッティリオがどんなに自慢の詩で彼女への愛を語ろうが、まるで相手にしてくれないのだった。 ある日、伝記作家である彼女が、イラク人の詩人フアド(レノ)の伝記を仕上げるため、イラク滞在中、爆撃で負傷し意識不明の重体に陥ってしまう。 報せを受けたアッティリオは、危険な戦地へと向かうのだったが・・・。 久しぶりに好きな、ベニーニ作品最新作を観ました。 コメディのなかに愛を感じるのは、いつもと変わらないステキなところ。 イラク戦争によるバグダッドの惨状を描いたシーンもあって、敬愛するエミール・クストリッツァ作品のような雰囲気も持っていたと思います。 素晴らしかった「ライフ・イズ・ビューティフル」には及ばないけれど、こじんまりとまとまったドラマ。 魔法にかかったようなファンタジックな展開は、まるで御伽噺です。 偶然の出来事を、魔法に見せる手腕が好き。 毎晩夢に現れる女性への恋、そして悲劇。最後のサプライズまで、多少、ご都合主義で進みますが、ファンタジーコメディなので気になりませんでした。 バグダッドで負傷し、死にかけている愛する人のために、詩人は取るものも取らずイラクへと向かいます。 空港は閉鎖され、ひとり陸路でイラク入りしたアッティリオは、命の危険も顧みず、意識の戻らない彼女を救うため、医薬品の調達に奔走するのでした。 イラクで彼を助けてくれたのはイラク人詩人・フアド。 ジャン・レノが違和感なく演じています。 彼の自殺の理由が、釈然としないのが残念。 国勢などについて、突っ込んだところはなく、「ライフ・イズ・ビューティフル」でホロコーストの描き方に不満を持った方には、同じように満足いかない触れ方かもしれません。 イタリアでは、政治に関する発言の多いベニーニだと聞きましたが、映画ではやんわりと批判するのが、彼流なのでしょう。 あくまでもファンタジーとコメディの路線を崩すことはありません。 特殊効果で再現される、夢の幻想的なシーン、中東に広がる無限の星空が美しい。 幾度も流れる結婚式の場面に、トム・ウェイツの歌声が情感たっぷりに沁み込みました。 監督 ロベルト・ベニーニ 製作 ニコレッタ・ブラスキ 製作総指揮 エルダ・フェッリ 脚本 ロベルト・ベニーニ 、ヴィンセンツォ・セラミ 音楽 ニコラ・ピオヴァーニ 出演 ロベルト・ベニーニ 、ニコレッタ・ブラスキ 、ジャン・レノ 、トム・ウェイツ (カラー/114分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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