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行きかふ人も又

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2007.11.09
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カテゴリ:イタリア映画

  北イタリアの街トリエステにやって来た一人の女性、イレーナ。
ウクライナ出身という彼女の過去も、ここへやって来た理由も、誰一人知らない。
やがて、彼女は貴金属商を営むアダケル家で、偶然を装い、メイドとして働き始める。
夫婦の一人娘テアの子守役をし、次第に家族の信頼を獲得していくのだが・・・。



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大好きなトルナトーレ監督の最新作。
ノスタルジックな印象をうける監督ですが、暴力的な作品も、秀逸なサスペンスもお手の物。
サスペンスのこちらは、女の性(さが)を鋭く描きます。
目を覆いたくなる場面も、揺るぎないトルナトーレらしさが滲むラストの再生も、良かったです。
盛りだくさんで、内容は複雑なのに、2時間できっちりまとめるところ、流石。


R指定にまでなった強烈に痛々しく描かれる彼女の過去――
これはもしかして「あなたになら言える秘密のこと」に、似た展開になるかと・・過ぎりましたがまた違った切り口の、良質な物語になっていたと思います。

なによりイレーナ役の、クセニア・ラパポルトがすごい存在感。
真実がなかなか分からないからこその、ハラハラと、わかった後もまだ続くハラハラが巧い。
そして、最後には、きっちり望むとおりの結末を、用意してくれてる!


要となる彼女の過去は、多少疑問が残って、単に同情すればいいだけのものではないのが、難しいところでした。
こんなことが実際に行われているの・・?
この背景、ウクライナのことを調べてみなければわからないものが、あるのかもしれません。

醜と美、ノスタルジー、怯え、おぞましさ、崇高さ。
たくさんのものを巧みに扱うトルナトーレ監督が、これからも楽しみです。

危険にとっさに反射できない障害を持つテアに対して、受身を覚えさせる一連のシーンは、少しキツかったけれど、とはいえ2時間しっかり楽しませてくれる良質な作品でしたかちんこ




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監督  ジュゼッペ・トルナトーレ
製作総指揮  ラウラ・ファットーリ
脚本  ジュゼッペ・トルナトーレ 、マッシモ・デ・リタ
撮影  ファビオ・ザマリオン
編集  マッシモ・クアッリア
音楽  エンニオ・モリコーネ
出演  クセニア・ラパポルト 、ミケーレ・プラチド 、クラウディア・ジェリーニ
    ピエラ・デッリ・エスポスティ 、アレッサンドロ・ヘイベル

(カラー/121分/R―15)










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Last updated  2008.01.11 22:17:54
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