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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
アリゾナ州に住むフーヴァー一家は、家族それぞれに問題を抱え、崩壊寸前。 パパのリチャードは独自の成功論を振りかざして“負け組”を否定し、そんなパパに反抗して沈黙を続けるのは長男ドウェーン。 無謀なミスコン優勝を夢見る妹オリーヴ、ヘロイン常習のグランパ、さらにそこへゲイで自殺未遂の伯父フランクまで加わる始末! ママの孤軍奮闘も虚しく家族はバラバラ・・・。 そんな時、オリーヴに念願の美少女コンテスト出場のチャンスが訪れて、一家は節約のためオンボロのミニバスに乗り込み、はるばる開催地のカリフォルニア目指して出発するのだった。 サンダンスで評判を呼び、日本でもとても評判のいい映画です。 笑えると聞いていたので、家族でコメディのノリで観ましたが、意外とシニカルでアダルトでした。 崩壊寸前の家族が、旅のなかでひとつになっていく様子を、小気味良く描いたロードムービー。 旅だけじゃなく、失恋の絶望から自殺未遂したゲイの伯父さんが加わってこそ、初めて互いの存在を認め合える、個性的な面々がいい。 ちょっとおデブちゃんのオリーブは、ミスコン優勝に憧れているけど、みるからに望み薄です。 それでも、彼女の中身がステキだってことがわかるたび、可愛くて仕方ない。 ヘロイン漬けのグランパは、下品で口が悪くて最低。 それでも、孫たちを愛する気持ちは誰にも負けてない。 空軍パイロットを目指す長男ドウェーンは、諍いの絶えない家族に背を向け、自らの夢にだけ望みを懸けているけど、意外にしっかり者で妹を大事にしてる。 夢が叶うまでは‘話さない’と願掛けを続ける孤独な彼の心をほぐすのは、はみ出し者のゲイの伯父さんなのでした。 皆がみんな、助け合ってこそ、家族はばらばらにならずに上手くいく―――ありきたりで、よくあるお話だけど、大人には妙に頷ける出来事が散りばめられているのではないでしょうか。 子どももOKだけど、ちょっとじいちゃんの下ネタはキツイ・・ 大人により通じる笑いに、なっていたと思います。 道中で起こる数々の大ピンチ! ボロのミニバスは壊れるし、じいちゃんは死んじゃうし、パパの勝ち組論の出版は絶望的・・・・ でも大切なものに気づけた時、初めて人生勝ち負けじゃない―というテーマに落ち着く脚本は、上手くできていると思います。 濃いしやかましい家族を、ひとりでまとめてる母親がまた、いい味。 長男も妹も、伯父さんも、みんないい味出してる。 鑑賞後、気持ちのいい小品でした。 ちなみに、監督はご夫婦なんだそうです。 監督 ジョナサン・デイトン 、ヴァレリー・ファリス 脚本 マイケル・アーント 音楽 マイケル・ダナ 出演 グレッグ・キニア 、トニ・コレット 、スティーヴ・カレル アラン・アーキン 、ポール・ダノ 、アビゲイル・ブレスリン (カラー/アメリカ/100分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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