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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:イタリア映画
昨年「ソドムの百二十日」を読みました。怖ろしい内容でしたが、映像になると尚更ショッキング。 パゾリーニ監督が本作を撮ったあと、エキストラの少年に撲殺されたことも、変態の極みと言える本作を観れば納得です。 撮影現場はいったいどんなだったのだろう。こんな作品が存在していることに、ある意味感慨。 ビデオとはいえ、レンタル店に並んでいることに驚きますが、分類は社会派ドラマ。その方面に訴えた作品であることを踏まえて観れば良いのかもしれません。 こちらも死ぬまでに観たい映画1001本に選ばれています。 (あらすじ) サド原作「ソドムの百二十日」の舞台を、44年のイタリアに時代を移して映画化。4人の権力者が、美少年美少女を相手に性的な狂宴を繰り広げる。アナーキーで、グロテスクなパゾリーニの遺作。 史上一位二位を争うゲテモノであるからという理由で、映画好きな方が手に取ることは多いと思います。観ておきたい映画でしたが、やはり気分が悪くなりました。 嫌悪感で、2時間がけっこう辛い。ただ良くも悪くも、ここにしかない無二の作品でした。 サド=サディスト。ダンテの『神曲』を模範した四つの章で成っている、そのままの作品であります。残虐な行為に及んでいくさま、糞尿を食らうさま、どうあがいても嫌悪感でいっぱいです。 この行為は美の追求である―――といいますが。? 追求しているのは本当に<美>なのでしょうか。なにかをとことん追求しているのはわかるけれど、そうは思えない。 ナチス蔓延る44年のイタリアが舞台、血も涙もない4人の権力者は当時のファシストと、ラストでダンスに耽る少年警備兵たちはヒトラー・ユーゲントと重なります。 原作では18世紀のスイス。設定を変えたニュアンスは伝わりました。 監督 ピエル・パオロ・パゾリーニ 製作 アルベルト・グリマルディ 原作 マルキ・ド・サド 脚本 ピエル・パオロ・パゾリーニ セルジオ・チッティ 撮影 トニーノ・デリ・コリ 音楽 エンニオ・モリコーネ 出演 パオロ・ボナチェッリ ジョルジオ・カタルディ カテリーナ・ボラット (カラー/117分/イタリア・フランス合作/SALO O LE 120 GIORNATA DI SODOMA) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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