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2008.03.05
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カテゴリ:アメリカ映画

 朝鮮戦争の野戦病院に、人手不足から二人の医師が補充された。ところがこの医師たち、軍規を無視して、女性将校をからかったり、ゴルフに夢中になったりやりたい放題で・・・。
戦争を風刺した超ブラックコメディの佳作。 




 珍しい、朝鮮戦争を舞台にした作品。
半島を舞台にした、とびきりシュールな戦争映画です。
この頃、終戦から5年経った日本は復興が進んでいたのでしょう。時折ラジオから流れるは日本の歌謡曲。
延々可笑しなムードに包まれて暴走する、野戦病院の面々―――。

朝鮮戦争の知識はありませんが、きっとこの戦争でなくても良かったのでしょう。いかなる戦争にも共通した、不条理の上に成り立つ狂気をシニカルに描きます。
愚かで憎めない人間の性。馬鹿げた毎日。

血みどろの患者と日々格闘していれば、誰だって緊張のほぐれる時間が必要です。
物資の不足に、家族との別離、フラストレーションをいっぱいに抱えた彼らが、行き過ぎの暴走を始めても、批判よりは苦笑して見守りたい気持ち。
女性をからかうシーンだけは、今の時代、多少問題あるでしょうが、製作年を考慮に入れれば受け流せます。
当然、数少ない女が男たちの標的になるとしても、女性も同じように男を求めている描きかたなのは、さっぱり後腐れがありません。
かなり強引な、めでたしめでたし映画だとしても。


MASH-10807.jpg



主人公の医者3人を演じたのは、ドナルド・サザーランド、エリオット・グールド、トム・スケリット。
それぞれに癖のある名演でした。
なかでもホークアイ役を演じたサザーランドは光っています。
どんなにだらしなく悪ふざけが過ぎても、医者としてそれなりにきちんとやっている三人は、ちゃらんぽらん故に数倍好印象で、そんなところも巧いと感じます。
一日たりとも、ここに居たいとは思わないけれど!


mash.jpg



実際の戦場とはかけ離れているであろう設定も、コメディであるからこそ許容できます。
スピーカーから流れる業務連絡は、逐一ふざけた風刺がこめられていて面白い。
信心深い同僚の医者が、ホモである件も面白かった!
死にたいと言って“最後の晩餐”ごっこを始めるなんて、戦場でおいおい・・と思いつつ、とことんブラックなユーモアがすべてをプラスに変えて、一方的に映画は終わっていくのです。
呆気にとられつつ、最後までムードに押され騙され、酷い箇所も許せてしまいました。
後半のアメフトシーンは長すぎるほどでしたが、国で一番に愛されるスポーツを盛り込みたかったのでしょうか。
ちょっと長すぎでした。

死ぬまでに観たい映画1001本に選ばれています。



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  監督  ロバート・アルトマン
  製作  インゴー・プレミンジャー   レオン・エリクセン
  脚本  リング・ランドナー・JR.  
  原作  リチャード・フッカー
  撮影  ハロルド・E・スタイン
  音楽  ジョニー・マンデル
  出演  ドナルド・サザーランド  エリオット・グールド   サリー・ケラーマン
       ロバート・デュバル   フレッド・ウィリアムソン  トム・スケリット

   (カラー/116分/アメリカ製作/MASH)









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Last updated  2008.03.06 16:46:35
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