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カテゴリ:アメリカ映画
たまらなく私好みな、ドラキュラものパロディでした。 小ネタにニヤケが止まらず、まるで絵本の中にいるような画面いっぱいに拡がる映像・美術は最高にシュール! 子どもOKな作品でありながら、全体にはなまめかしい色気があります。何でも揃った、性悪なメルヘンとでもいいましょうか。 ポランスキー監督の過去の事件については、わからないのでなにも言えませんが、映像作家としての才能は、こんなに若い頃からすでに確立していたんですね~。 変質的な部分が、性格上あったとしてもおかしくはない、そう感じた映画ですが、そこが魅力的。紙一重ですね。 初めてポランスキーを観たのは『記憶の扉』で、役者としてでした。 すでに中年となった彼は、役者としても素晴らしくて、改めて経歴をみると男優の仕事でも色々活躍しています。 作品はどれも一度観てみたいと思わせるようなものばかり。少しずつ手にとっていこう。 アブロンシウス教授を演じたジャック・マッゴーランが最高です! 彼の仕草、彼の表情、どこまでも期待通りで、そこに助手のアルフレッドをポランスキー自身が熱演しているという面白さ! 背は低いけれど、けして悪い顔ではない彼が、若く魅力に映ります。 濃く汚く猥雑でも、コメディの路線はけして崩さない展開が見事。 時に早送りしてみたり、VFXを駆使したりしながら、ここにしかない吸血鬼ものを完成させていました。 (あらすじ)アブロンシウス教授は助手アルフレッドを連れ、吸血鬼退治の旅の途中、トランシルバニアの片田舎の宿に一泊する。宿の娘サラに一目ぼれしたアルフレッドが、入浴する彼女を見ようとかぎ穴から目を凝らした途端、吸血鬼が彼女をさらわれていった!後を追って二人は吸血鬼クロロックスの城に向かうが・・・・。 にんにくや十字架など、抑えるところは抑えて、あとは自由な脚色がなにより楽しい。 当主クロロックス伯の息子はホモで、好かれたアルフレッドが執拗に追いかけられるとか・・・。いざ吸血鬼の城へ、スキーで向かうとか・・・。(笑) 新雪を滑降する二人の可笑しさ。発想や着眼がなにより面白い。 そもそも、あのお城は本当に実存していたのか、それさえわからなくなってしまいました。 たしかに建っているようなのに、背景に広がる雄大な峰々があまりに絵画チックで不思議。 この一作に限っては、ポランスキーワールドにすっかり虜にされました。 ちなみに、DVDのタイトルは『ロマン・ポランスキーの吸血鬼』となっています。 監督 ロマン・ポランスキー 製作 ジネ・グトワスキー 脚本 ジェラール・ブラッシュ ロマン・ポランスキー 撮影 ダグラス・スローカム 音楽 クリストファー・コメダ 出演 ロマン・ポランスキー ジャック・マッゴーラン シャロン・テート アルフィー・バス ファーディ・メイン イアン・カリエ (カラー/108分/THE FEARLESS VAMPIRE KILLERS OR: PARDON ME, BUT YOUR TEETH ARE IN MY NECK) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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