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2008.04.30
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カテゴリ:メキシコ映画

 死ぬまでに観たい映画1001本に選ばれています。最近のものになればなるほど、シビアな観方になってしまう気がする。
期待していましたが、語りつくされた感のある、青春ロードムービーでした。
いい作品だけれど、死ぬまでに観ておくべきとまではいえない気がします。

幼なじみのフリオ(ベルナル)とテノッチ(ルナ)は17歳の高校生。エネルギーを持て余し気味の二人が考えることといえばセックスのことばかり。なのにガールフレンドたちは旅行へ出かけてしまう。
暇を持て余していたある日。親戚の結婚式で二人は年上の女性ルイサ(ベルドゥ)と知り合う。彼女をドライブに誘うため、“天国の口”という在りもしないビーチの名を口にする二人だったが・・・。数日後、夫の浮気を知ったルイサは、テノッチの元に電話を掛け、二人と共にビーチを目指して旅に出るのだった。

メキシコの裕福な家庭に焦点をあてています。もしかしたら本国ではアイドル映画的なものだったのかもしれませんね。
フリオとテノッチが誘ったのは、テノッチの従兄の妻ルイザ。
彼女は、病院でなにか深刻な診断を受け、その上、夫の浮気を知り、人知れず傷ついたまま旅は始まります。
彼女は病気らしい・・・。けれどもそれは、最後まで明かされることはありません。
ルイザが旅先から、電話で夫に別れを告げるのは、なにも浮気を苦にしてのことじゃない。どんなワケにしろ、死期が迫っていることは、自然と彼女の涙が教えてくれます。
誰にも何も告げずに、潔く生きている彼女は美しく逞しい。青年たちの青春物語に見えるけれど、実際はルイザが主人公ともとれます。

死にそうな人がセックスに悩むことはなく。生命力盛んだからこそ、セックスに悩む。
青年たちから、彼女はエネルギーをチャージして精神のバランスを保って、最後まで気丈に過ごせたのでしょうか。
痛みがわからない幼さが、救いになることもある。同情されることなくいられたのも、きっと救いだったのでしょう。
彼らは単純だけど、未来がある。
その未来が、実はすごく冴えなくて、つまらない大人になりかけたときの再会は胸に痛かったけれど・・・。
青過ぎる青年たちの性と、大人の女の性。その違いも見所といえるのではないでしょうか。

だたひと時の、一瞬の輝きが眩しかった。
心に響いてくるものは少なかったけれど、この眩しさだけは、懐かしくそして素敵です。



監督  アルフォンソ・キュアロン
脚本  アルフォンソ・キュアロン  カルロス・キュアロン
撮影  エマニュエル・ルベツキ
出演  ガエル・ガルシア・ベルナル  ディエゴ・ルナ  マリベル・ベルドゥ
     フアン・カルロス・レモリーナ  アナ・ロペス・メルカード

(カラー/106分/メキシコ/Y TU MAMA TAMBIEN)









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Last updated  2008.04.30 20:33:10
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