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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
ジャズ・ミュージシャンのファッツ・ウォラーが生まれたという、小さな町のおんぼろレンタルビデオ店“ビー・カインド・リワインド”。時代に取り残された店に、取り壊しの危機が迫り、店主フレッチャー(グローヴァー )は真面目な青年マイク(デフ)に店を任せ、再建へむけてひとり旅に出た。 翌日、マイクの幼なじみでトラブルメイカー、ジェリー(ブラック)が現れた。彼はある実験で強い電気を帯びて電気男と化していて、あろうことか商品のビデオを全てダメにしてしまう! あわてた2人は、ビデオカメラ片手にダンボールや廃材を使って、お客が予約した映画のリメイクを撮影して急場をしのぐのだったが・・・。 独創的な作品『エターナル・サンシャイン』『恋愛睡眠のすすめ』が印象深いミシェル・ゴンドリー監督の最新作。狸小路シアター・キノにて観てきました。 これまたすごい!ゴンドリー監督の溢れ出るイマジネーションに、またも驚かされてしまう。 フランス人である監督がアメリカで撮った本作には、自身の映画への愛情をいっぱいに詰め込んだ、メッセージ性の高いものになっていた。 十八番ともいえる手作り小道具大道具が画面を埋め尽くし、CGに頼った最近のハリウッドはつまらないぞ!と暗黙の了解で作品全体が物語る。 映画はもっと観客の身近にあるべきだ!そうアピールしながら、おバカで、かなり賑やかなコメディが進行していく。 主人公のマイクとジェリーが、奇天烈な発想でリメイク映画を撮っていく一連のシーンが笑える。 『ゴーストバスターズ』『2001年宇宙の旅』『ドライビング Miss デイジー』『ロボコップ』・・・・ 見慣れた往年の名作?を、たった二人で作って撮って演じている姿は笑いを禁じえない(笑) ハチャめちゃでも愛があるのだ。 レンタルショップには、すべてVHSの店主のこだわりの名作珍作が並んでいる。アナログな常連客は、やはり映画を愛する人々で、いつしかリメイク版は評判となっていくのだった。 クリーニング店で働く娘アルマ(メロニー・ディアス)を仲間に交え、次から次へと三人は新たなリメイクを撮り、売り上げは倍増に次ぐ倍増。 始まりはどうあれ、いつしかスラムで暮らすお客の皆が、一丸となって映画作りに参加しはじめる頃、店主のフレッチャーがDVDという文明の機器を携え帰ってくるのだったが・・・・。 そして同じ頃、著作権侵害だと弁護士が現れて、夢のようなひと時は終わりを告げてしまう・・・。 ちなみに、この弁護士役にはシガーニー・ウィーヴァー。『ゴーストバスターズ』繋がりで出演しているので、登場しただけで笑えてしまうのだ。 ジャズ・ミュージシャンのファッツが生まれ育った場所に建つ、小さなレンタルビデオ店“ビー・カインド・リワインド”。スラムに住む皆の唯一の誇りと、愛する映画を守るため、みんなが団結して繰り広げる、おバカで心温まる?コメディだった。 相当ごちゃごちゃしているのに、これだけのリメイク映像を挟んでいるのに、コンパクトに仕上がっているのがすごい。編集も巧いのだろう。 『恋愛睡眠のすすめ』と続けて観れば、この監督、どんなにハンドメイドが好きねん!と呆れちゃうかもしれない。それくらい視覚的肌触りのある、面白い作品になっていました。 監督・脚本 ミシェル・ゴンドリー 製作 ジョルジュ・ベルマン 音楽 ジャン=ミシェル・ベルナール 出演 ジャック・ブラック モス・デフ ダニー・グローヴァー ミア・ファロー メロニー・ディアス シガーニー・ウィーヴァー (カラー/101分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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