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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
(あらすじ)財産家の妻に推理作家の愛人ができたことを知った元テニスプレイヤーの夫は、前科のある友人に妻殺害を頼むが、逆に友人が妻の抵抗によりハサミで殺されてしまい―――。 ヒッチコック作品は、以前有名どころを7本ほど観ただけで、久しぶりの鑑賞。 その名の轟きとはうらはらに、『サイコ』『鳥』以外の作品は存外楽しむことができなかった記憶があるけれど、本作はとても面白い映画だった。 決して失敗しないように思われる周到な殺人計画が、いざ実行される段になると予定通りにはいかないハラハラ。 友人を脅し殺人の計画を企てるシーンでは、多くの時間を割いて、顔に似合わずねちねちとした夫の性格をうまく露にしていておもしろい。 そして、美しい淑女の妻(グレイス・ケリー)が浮気をしているのも、なんだかチグハグな感じでいい。 後半。襲われた妻が、夫の友人を殺してしまったことで、予想しえない事態を迎える。 夫は彼女を陥れるように仕向け、愛人への恋文で強請られていたことを理由とする殺人だとして、死刑へと追いやるのだ。 美しい無力な妻が翻弄されるばかりなのは、ヒッチコックの趣味の範疇かしらんと思いつつ。 しかし、推理作家である愛人と事件を追う刑事は、次第にことの真相を見抜き始めるのだった・・・。 飄々とした刑事、鍵や手紙といった小道具、ほとんどが室内で展開されるところも、これぞサスペンスという感じで楽しめる。 原作があり、もとは舞台劇だった緻密な脚本が良いのかもしれない。 この有名なタイトル、『ダイヤルM』として、1998年にマイケル・ダグラスとグウィネス・パルトロー主演でリメイクされている。一言で表せば「これでもか!」という感想だ(笑) オリジナルはとても楽しめる作品だった。 監督/アルフレッド・ヒッチコック 原作・脚本/フレデリック・ノット 音楽/ディミトリ・ティオムキン 出演/レイ・ミランド グレイス・ケリー ロバート・カミングス (カラー/105分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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