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カテゴリ:映画
運命の女性に恋した瞬間、これまでの日常が文字通り一変してしまった男が辿る、不思議な恋のゆくえ―――。
デンマーク、コペンハーゲン。カメラマンのアレックスは、突如運命の相手に出逢ってしまった。 駅で見かけたその女性の名はアイメ。 彼は一緒にいた恋人シモーネを放り出して、アイメの後を追う。 運命の人だから、ふたりはすぐに惹かれあって結ばれるのだけれど、その瞬間から、アレックスは異世界へと足を踏み入れてしまいます。 恋人も友人も大家さんも父親も、アレックスを知らない世界。ただひとり、アイメだけが彼を知っている世界へと―――。 感想の書きづらい作品ですが、かんたんに感じたことを。 彼女を通して社会と繋がっている不確かなアレックスの存在は、儚くて不思議。 異世界にパニックになっても、彼はアイメを求めることをやめません。 なにもかもを捨てて、アイメだけを求めているのです。 この恋の出来事が、すべてアイメの夫である作家の創作上の出来事だと考えるのが一番スマートな見方かもしません。 ただ、私的には愛の物語で楽しみたい作品でした。 見る人によって違う印象を与える映画は、結末も真実も、意味をなさないと思います。 人それぞれになにか感じれたら、それでよし。 シモーネとアイメはまったく違う性格の女性ですが、演じているのはひとりの女優。 メイクや髪型が違うだけで見違えるほどかわり、この不思議なお話に、同一人物であることが、ヒントのように横たわっているのがいい。 そうして、少しだけ似ているのがまたいい。 遠い所へ行こうと約束した夜に、アレックスを繋ぎとめるのはシモーネ。 どこか捨てて置けない彼女に付き合ううち、アイメは約束の時間になってもやってこない彼に絶望を感じてバーを飛び出す。 このすれ違いが、再び現実のドアを開くことになるという展開が興味ぶかい。 これがすべて、作家の妄想ではもったいなくて。 アレックスが本当に異世界へと、旅していたならそれはそれはスバラシイ。 日常には不条理な出来事が、往々にして起こりうると思うだけで、楽しくなるではありませんか。 運命の人との出会い。 運命の人は、近づいている。 取り留めのない異色ラブストーリー。 アレックスを演じたニコライ・リー・コスは、先日の『ある愛の風景』で弟を演じていた役者さん。 声やら顔やら演技やら、魅力的だなぁと思っていたので、知らずに本作を観て嬉しかった。 こちらでも存在感抜群。 ● ● ● ● 監督 クリストファー・ボー 製作 タイン・グルー・ファイファー 脚本 クリストファー・ボー モーゲンス・ルーコフ 撮影 マヌエル・アルベルト・クラロ 音楽 トーマス・ナック 出演 ニコライ・リー・コス マリア・ボネヴィー クリスター・ヘンリクソン (カラー/92分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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