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カテゴリ:アメリカ映画
よく耳にするタイトルで、ほのぼのとした古き良きハリウッド名画かと思っていた『サンセット大通り』が、、まさかサスペンス張りのドラマだったとは! このコミカルさとテンポの良さ、流石はビリー・ワイルダー監督です。 (あらすじ)ある日、脚本家のジョーは借金とりに追われ、サンセット大通りに建つ寂れた邸宅に逃げ込む。そこは、サイレント映画時代の伝説的女優ノーマ・デズモンドの住まいだった。かつての栄光を取り戻すべく復帰を目指す彼女は、ジョーに主演作品の脚本を住み込みで執筆することを依頼、彼は引き受けるのだが―――。 ハリウッドの光と闇を描いた、本当に見事な作品でした。 物語は、ある邸宅のプールに若い男の死体が浮かんでいるシーンから始まります。 死んでいるのは、もちろん主人公のジョー。 過去を遡って、事件の顛末を、彼の独白と共に描く。 ジョーを愛し始めたノーマの、尋常でない嫉妬と束縛がデッドエンドの結末へと向ってひた走ります。 その怖いこと! 過去の栄光にすがるノーマは、鬼気迫る人物で、その惨めなこと甚だしい。けれど、悲劇の結末を導くのはジョーでもあるのです。 狂気に怖れながらも、再び貧乏生活へ戻ることを嫌って、大富豪のノーマを利用していたのは彼。 その狡さが、冒頭の死体と繋がっているからこそ面白い。 ハリウッドの夢と希望に輝いた一面を描いたり、撮影現場や、往年のスター・監督の名が登場したり、約2時間盛りだくさんです。 なかでも、友人の婚約者である脚本家の卵ベティとジョーが、顔を会わせるうち次第に惹かれあっていく件は素晴らしい。 しかし、彼女に対する恋心さえ、ジゴロでいられることの価値には負けてしまう・・・! そしてベティに対するノーマの嫉妬は、ますます狂気をエスカレートさせていく―――。 終盤あたりでは、私にはもうノーマが、エド・ウッド作品のヴァンパイラにしか見えなくなっていたのですが、、皆様はいかがでしょうか。 怖すぎますね~(笑) 邸宅には、無数の若かりし頃の女優の写真。 広い邸だというのにものすごい閉塞感。なんとも言えない怖さ不気味さが続く。 そんな中で、ジョーの仲間たちが集うパーティーや、ベティとのシーンは、まさにホッとするもので、下界へ降りてきた♪気分。いかに邸宅に異様な空気が充満していることか! ハリウッドという一大ビジネスを底辺に、絶妙なバランスを持った傑作でありました。 監督 ビリー・ワイルダー 製作 チャールズ・ブラケット 脚本 ビリー・ワイルダー チャールズ・ブラケット D・M・マーシュマン・Jr 音楽 フランツ・ワックスマン 出演 グロリア・スワンソン ウィリアム・ホールデン エリッヒ・フォン・シュトロハイム (モノクロ/110分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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