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カテゴリ:アメリカ映画
弁護士アティカス(ペック)の子どもの目を通して人間模様=差別問題を描いた名作。 30年代のアメリカの南部の町。弁護士が強 姦罪で訴えられた黒人(ピーターズ)の無罪を立証するが、評決は有罪となる―――。 褒めすぎかとも思うけれど、すべてにおいて素晴らしかったです。 オープニングから、子役たちも、グレゴリー・ペックも、脚本も、映像も内容もすべて。 人種差別というテーマを、子どもの目を通して描くことで、堅苦しくならずに、けれど真摯に描いた本作は、間違えなく傑作。 母を亡くし、三人で暮らしている弁護士アティカスと子どもたち(兄妹)の人柄は、冒頭で十分に伝わってきました。 彼が日頃から、子どもたちにどんな教育をしているのか、その仕方までもが素晴らしくて、同じ親として感じずにいれない場面が続きました。 大きくなった娘が回想しながらナレーションをする形で、物語は進んでいきます。 明らかに無罪である被告人が、有罪の判決を受けてしまう・・・・。 あまりに理不尽な大人の社会を目撃した、この夏の彼らは悲しみに打ちのめされます。 しかし子どもたちは将来、父親アティカスの血を引いた立派な大人になるはずなのでした。 その希望の余韻が、暗い影を持った物語を救っています。 少年らしい腕白な遊びの数々や、小さな冒険。隣家の説教ばあさんや、怖ろしい男が住むというラドレー家など、郷愁がこころをくすぐります。 ホラー屋敷ばりの噂轟くラドレー家の一件は、有罪判決が出た時点で THE END となっていてもおかしくなかった物語をひっぱっただけあって、すごく良かったです。 一度も姿を現わしたことのないブー・ラドレーとの、初めての出会いと交流に、同じく希望の余韻をもらうことができるのでした。 ブーを演じていたのは、あのロバート・デュヴァル。なんとデビュー作だそうです。 若かりし姿が凛々しい。役柄に関係なくいい男でした。 主演のグレゴリー・ペックは文句なしに素晴らしい! 余談ですが、オンラインレンタルを利用し始めてから、もう随分になります。 予約リストは膨らむ一方。 いまでは230本の作品がリストインしていますが、観たい映画は増殖中です。 そして、いつも上位に挙げておくのは、本数の少ないもの、早くから予約しておかないと、いつまでも届かないだろう作品です。 それがことごとく来ないのが現状で、上位を飛ばしてやってきたのが、この『アラバマ物語』と『サンセット大通り』の名作シリーズ二枚組みでした。 届いたときには、すぐに観たい映画でもなんでもなくって、「なんだぁ」と少なからずガッカリしたわけですが、これがいざ蓋を開けてみてびっくり、両方とも物凄く面白かった! いい映画に続けざまに出会えた感激。(オチなし) 監督 ロバート・マリガン 原作 ハーパー・リー 『ものまね鳥を殺すには』 脚本 ホートン・フート 音楽 エルマー・バーンスタイン 出演 グレゴリー・ペック メアリー・バダム フィリップ・アルフォード ジョン・メグナ (モノクロ/129分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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