|
テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
子供の死のショックから立ち直れずにいる、旅行ガイドブックのライターをする主人公ラリー(ハート)。
妻サラ(ターナー)との別居などを経て、やがてペットショップの訓練師と、新しい恋に落ちていく様子を丁寧に描く―――。 脚本が素晴らしい。 随所にクスクスと笑えるシーンを織り交ぜながら、主演三人の味わいある演技が心地よい。 新しい恋の始まり、新しい人生の回り出す音が聞こえてくるような、絶妙なテンポのある良作でした。 強盗事件に巻き込まれ、息子を失った夫婦の、別居から物語は始まります。 人生を守りに徹してきた不器用な夫は、妻と悲しみを分かち合うこともせず、孤独を抱えた妻サラは、ついに別居を言い渡すのでした。 大きな喪失から始まるけれども、物語は確実に再生へと向かっている。 旅行がちなラリーが出会った、ペットショップ店員のミュリエル(デイヴィス)は、快活で風変わりな美人さん。 彼女から積極的にアプローチして、いつしか付き合うようになる二人でしたが、型物のラリーはいつまでも優柔不断なまま、新しい人生を踏み出すことができずに、妻とミュリエルの間で揺れ動くのでした、、、。 なにより面白かったのは、ラリーの実家の人々。 妹や兄たちが繰り広げる日常には、とびきり変わったヘンテコなルールが横行しているのです。 それでも一家にとっては、それが常、それが平常。まさかおかしいだなんて、思ってもいない。 ちょっとはみ出しちゃってる人生にある、豊かさとユーモアの妙味。 ちょっとはみ出しちゃってる人たちの、不器用だけど素直な気持ちが愛おしい。 ミュリエルがラリーに恋した瞬間や、妻と恋人のどちらと生きるかをラリーが決めた瞬間、それがわかりにくいのだけが残念だった。 この微妙なニュアンスまで伝わったら、それこそ非のうちどころない秀作になっていたかもしれません。 監督 ローレンス・カスダン 原作 アン・タイラー 脚本 ローレンス・カスダン フランク・ガラチ 音楽 ジョン・ウィリアムズ 出演 ウィリアム・ハート ジーナ・デイヴィス キャスリーン・ターナー (カラー/121分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[アメリカ映画] カテゴリの最新記事
|