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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:映画
コーエン兄弟作品は、『赤ちゃん泥棒』『バーバー』『ファーゴ』など、いくつか観ていますがどれも好きでした。 なわりには、あとを引かずに、久しぶりの鑑賞。 すごく巧い。でも大好きにはならないタイプ。 巧さも、至極アメリカ的なところも、イーストウッド監督と似た印象の兄弟です。 (あらすじ) 80年代、テキサスの荒野でハンティング中に、複数の死体が横たわる、麻薬取引現場に出くわしたベトナム帰還兵モス(ブローリン)。 そこで200万ドルの大金を見つけた彼は、危険と知りつつ持ち帰り、冷血非情な殺人者シガー(バルデム)に追われる身となる。警察(ジョーンズ)も動き出すが―――。 ハビエル・バルデムの髪型がすごかった! トミー・リー・ジョーンズとテキサスの雰囲気が似合いすぎてた! なんて、関係のないところで感動しつつ、血なまぐさい、暴力に次ぐ暴力が繰り広げられていった。 人の気を逸らさない演出は流石で、小気味よくまとめられた見事な小品なのはたしかです。 ただ、それが好きかといわれたら、好みはまた人それぞれに分かれるのでしょう。 登場人物も製作費も少ないだろうに、この引きの強さ! その一点だけでも特筆すべきなのでしょうが。 言わんとしていることは、なんとなくわかります。表面は単純だけれど、背後に横たわるテーマはちゃんとある。 まるで死神にでも追われているようなモス、ルールなき殺し屋シガー(衝撃の武器が!)、終始傍観している警察―――。 ありえない構図なのに、疑問を抱かせない説得力は、作品全体を包み込んでいるシニカルなユーモアと、寓話チックであるおかげなのでしょう。 しかしながら、深く考えたい気持ちにはなれないのはなぜ。 あまりに理不尽な暴力と、積み重なるあらゆるフェークに疲労感。 監督・脚本 ジョエル・コーエン イーサン・コーエン 原作 コーマック・マッカーシー 『血と暴力の国』 撮影 ロジャー・ディーキンス 音楽 カーター・バーウェル 出演 トミー・リー・ジョーンズ ハビエル・バルデム ジョシュ・ブローリン (カラー/122分/R-15) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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