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カテゴリ:アメリカ映画
最近DVDが発売になって、誰かにおススメされていたことを思い出しレンタルしてみた。 監督は『スティング』『ガープの世界』のジョージ・ロイ・ヒル。 目まぐるしく主人公のいる時代・環境が変化するので、わかりにくくはあるけれど、 主人公はトラルファマドール星人のなぐさめのために、過去・現在・未来を痙攣的にタイムトラベルさせられている―――とさえ知っていれば、手放しで楽しめる、絶妙なテンポのある快作。 主人公である実業家ビリー・ピリグリムは、自らの数奇な人生を回想録として記す。 現代の家庭から、異星、そして繰り返し戦場を行き来したことを―――。 回想という形で描かれる数奇としか言いようのない人生。タイムスリップの数々が、目まぐるしいドラマを、いろんな角度から楽しませてくれる。 なかでもドレスデンの捕虜収容所“屠殺場5号”時代のシーンは、無差別爆撃の悲惨さを含めてかなり印象的。 こんな形で戦争の残虐性という観点から反戦を匂わせるというのもありなのだ。 『ガープの世界』を思い出すと、ロイ・ヒル監督は人の一生というものに特別興味があるのかもしれない。 登場人物たちの多くに人生を感じられるのがいい。 たとえば自動車事故で死んだ妻だって、その終わり方がすごくドラマチックなのだ。 映画を観るうえで浪漫は魅力に感じる大きな要素のひとつで、ロイ・ヒル作品にはかなりロマンを感じる。 先日べた褒めした作家の伊坂幸太郎作品にも、浪漫があるから好きなのだ。 SF映画としてかなりおもしろくて、異色で、目立たないけれど良い映画だった。 ピリグリムを演じたマイケル・サックスは、なかなかいい顔立ちで、老メイクですべてのピリグリムを演じていたけれど、ほかにはあまり目立った出演作はないみたい。 本作の音楽はなんと、先日ドキュメンタリー映画を観たばかりのピアニストグレン・グールド。 偶然の繋がりが嬉しかった。冒頭の音楽からたしかにグールドでした。 監督 ジョージ・ロイ・ヒル 製作 ポール・モナシュ 原作 カート・ヴォネガット・Jr 脚本 スティーヴン・ゲラー 音楽 グレン・グールド 出演 マイケル・サックス ユージン・ロッシュ ロン・リーブマン (カラー/103分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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