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2009.06.16
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カテゴリ:フランス映画

 
bunker-palace-hotel-1989-02-g.jpg


 世紀末。政府は反乱軍との戦いで壊滅寸前だった。秘密の地下シェルター“バンカー・パレス・ホテル”へ集まった実業家、政治高官、各界のエリートたち、そして女スパイは、やがて破滅が近いのを知るが―――。


 ド派手に降り注ぐ白い酸性雨で、シュールな物語が幕を開ける。原作者であるエンキ・ビラルが自らメガフォンをとり、イメージした世界を造り上げていく。

ダークなトーンの退廃した世紀末。雰囲気はいい。
若干の緩さも、微妙にちゃちい半端さも、このグダグダ感の前では、ありだと思えてしまう。

気味の悪いアンドロイドたちは誤作動を起こし始め、シェルターは外の世界と完全に隔離されてしまった。
彼らを呼び出したはずの大統領は一向に現れず、人々は不安に支配されはじめる。
そんな非常事態の“バンカー・パレス・ホテル”に潜入した女スパイ・クララ(キャロル・ブーケが魅力的)の目的とは、、、?


01487980-photo-bunker-palace-hotel.jpg bunker.jpg


コミックの世界でいかにも造り物なのだけれど、不気味な登場人物たちが織りなす政府軍破滅のシナリオは、味わい深い個性的SFという趣。
最近のではロイ・アンダーソンの『散歩する惑星』に似た匂いを感じます。
ヨーロッパらしいSF映画。

なかなか現れない大統領の憶測と、女スパイの運命はご覧になってのお楽しみ。
いつの日もアンドロイドの運命は哀しく、エリート連の自我が痛い。
雰囲気のある小品だった。




●  ●  ●  ●



監督  エンキ・ビラル
製作  モーリス・ベルナール
脚本  エンキ・ビラル  ピエール・クリスティン
音楽  フィリップ・エデルアルトー・ドゥヴォ
出演  ジャン=ルイ・トランティニャン  キャロル・ブーケ  ハンス・メイヤー

(カラー/95分)







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Last updated  2009.06.17 17:32:46
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