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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:フランス映画
世紀末。政府は反乱軍との戦いで壊滅寸前だった。秘密の地下シェルター“バンカー・パレス・ホテル”へ集まった実業家、政治高官、各界のエリートたち、そして女スパイは、やがて破滅が近いのを知るが―――。 ド派手に降り注ぐ白い酸性雨で、シュールな物語が幕を開ける。原作者であるエンキ・ビラルが自らメガフォンをとり、イメージした世界を造り上げていく。 ダークなトーンの退廃した世紀末。雰囲気はいい。 若干の緩さも、微妙にちゃちい半端さも、このグダグダ感の前では、ありだと思えてしまう。 気味の悪いアンドロイドたちは誤作動を起こし始め、シェルターは外の世界と完全に隔離されてしまった。 彼らを呼び出したはずの大統領は一向に現れず、人々は不安に支配されはじめる。 そんな非常事態の“バンカー・パレス・ホテル”に潜入した女スパイ・クララ(キャロル・ブーケが魅力的)の目的とは、、、? コミックの世界でいかにも造り物なのだけれど、不気味な登場人物たちが織りなす政府軍破滅のシナリオは、味わい深い個性的SFという趣。 最近のではロイ・アンダーソンの『散歩する惑星』に似た匂いを感じます。 ヨーロッパらしいSF映画。 なかなか現れない大統領の憶測と、女スパイの運命はご覧になってのお楽しみ。 いつの日もアンドロイドの運命は哀しく、エリート連の自我が痛い。 雰囲気のある小品だった。 ● ● ● ● 監督 エンキ・ビラル 製作 モーリス・ベルナール 脚本 エンキ・ビラル ピエール・クリスティン 音楽 フィリップ・エデルアルトー・ドゥヴォ 出演 ジャン=ルイ・トランティニャン キャロル・ブーケ ハンス・メイヤー (カラー/95分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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