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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
ニューヨーク。カメラマンのジェフ(スチュワート)は足を骨折し、アパートで療養中だ。身動きの取れない彼にとって、唯一の楽しみは、窓から見える向いのアパートの住人たちを眺める事だった。 そんなある日、セールスマンの夫(バー)と激しい口論をしていた病床の妻の姿が見えなくなった事に気づく。夫が女房を殺したに違いないと推測したジェフは、恋人のリザ(ケリー)、看護人ステラ(リッター)とともに調査を始めるのだったが―――。 楽しめたものとそうでないものの差が大きいヒッチコック。こちらは中盤からとてもおもしろかった。 誰しも経験のある覗きたい衝動、身動きの取れない焦燥。そういったものがヒッチコック特有のねちっこさで描かれていく。 まず、向いの窓から見える住人たちの生活を捉えた画面がおもしろい。 世間知らずで金持ちの恋人リザとの結婚を、なかなか決断できずにいる主人公、足を怪我して動けないという設定もまた巧い。 独特なスローテンポ、私的には台詞がややしつこく感じるヒッチ作品。 それでもサスペンスをあまり意識せずに古典として観ていくと、別の楽しみどころに気づいてきた。 たとえば小道具の使い方、小気味よい演出、ユーモア。ヒッチコック作品は、内容はさておき、絵面を楽しむべきなのかもしれない。 金髪美女を好んだ変態監督、ではあるけれど、映像技巧にこだわった玄人であることはたしか。 終盤の息つく暇のないスリリングな展開、オチの効いた結末が素晴らしい。 映画史にのこる名作に大満足。 こちらも「死ぬまでに観たい映画1001」に選ばれています。 監督・製作/ アルフレッド・ヒッチコック 原作/ コーネル・ウールリッチ 脚本/ ジョン・マイケル・ヘイズ 撮影/ ロバート・バークス 音楽/ フランツ・ワックスマン 出演/ ジェームズ・スチュワート グレイス・ケリー レイモンド・バー (カラー/113分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.08.06 23:20:37
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