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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:イギリス映画
チェ・ゲバラこと、エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナは、1952年、親友アルベルトと共に、故郷ブエノスアイレスを後に南米大陸探検の旅に出た。 当時23歳の医学生だった彼が、いかに革命家への道に目覚めたかを、窺い知ることができる、良質な作品でした。 持病の喘息と闘いながら、正義感と冒険心を持って大自然を走り抜けた旅。 南米各国の様々な人々と出会い、人間として成長していく姿は、爽快であり感動的です。 「英雄」というイメージが強い、ゲバラ氏の功績は、じつはあまり知りません。でも、なんとなく好感持っているのはなぜだろう。 この映画がきっかけで、一冊くらい関連本を読んでみたくなりました。チェ・ゲバラのことを、もう少し知りたくなりました。 例えはおかしいけど、ガンジーの偉大さを知った時より、ずっと「すごい人だ」と思っている気がする。 まったく違う国で、違う生き方をしたのだから当然なんだけど、人柄が好きなのかも知れません。自分にとっても英雄のひとりになる予感がする。 一緒に旅した、年上の友アルベルトとの関係は、かなり素敵です。たまにはぶつかり合っても、信頼し合い、ふざけ合い、共に過酷な旅を続けて、なにかを手にしたふたり。男の友情ってほんとうにいい! そう思わずにいれません。 医者の卵と生化学者。目的の地は、南米大陸の北端、ベネズエラのカラカスでした。 物語後半、カラカス郊外の村のハンセン病院に、無事に辿りついた後は、そこの専門家とともに患者の治療に全力を注ぐのでしたが・・・。 この旅で手にした真理は、ゲバラをずっとそこに留まらせてはおかないのです。 新しい生き方を、欲する。旅立ちの日の感慨は、彼のその後の運命を知っているからこそ、深く感じ入ることができるのかもしれません。 この映画は、イギリスとアメリカの合作ですが、監督はブラジル出身のウォルター・サレス。ベルリン映画祭でグランプリを受賞した『セントラル・ステーション』が有名でしょうか。 言語は南米ゆえ、スペイン語。主演のガエル・ガルシア・ベルナルはメキシコ人。 製作総指揮にはロバート・レッドフォードもいる! なんとも、インターナショナルな作品なのでした。 友人アルベルト役を演じたロドリゴ・デ・ラ・セルナが、チェ・ゲバラの「はとこ」だというのも、驚きの事実。 先日観た『イントゥ・ザ・ワイルド』も、若くして旅立った青年のお話でしたが、温かい家庭や友の存在が、あるのとないのとじゃ、まったく違う結果となるのでしょう。 もし荒野を目指したクリストファー・マッカンドレスにも、温かい家庭や友があったら、結果はきっと違っていたろうな、、と思うとちょっと切ない気持ちになります。 ● ● ● ● 監督/ ウォルター・サレス 製作総指揮/ ロバート・レッドフォード ポール・ウェブスター レベッカ・イェルダム 原作 エルネスト・チェ・ゲバラ アルベルト・グラナード『モーターサイクル南米旅行日記』 脚本/ ホセ・リベーラ 撮影/ エリック・ゴーティエ 音楽/ グスターボ・サンタオラヤ 出演/ ガエル・ガルシア・ベルナル ロドリゴ・デ・ラ・セルナ ミア・マエストロ (カラー/127分/イギリス=アメリカ合作) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.10.18 12:33:11
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