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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:イラン映画
“ジグザグ道三部作”最終篇。 前作、「そして人生はつづく」に登場する、大地震の翌日に式を挙げた新婚夫婦の挿話を、元に生まれた作品。 大地震に見舞われ、瓦礫と化したイラン北部の村。映画の撮影を手伝っていた地元の青年ホセインは、この夫役に抜擢される。妻を演じる少女タヘレとは、求婚してフラれた仲だ。 ホセインは一緒にいられる短い撮影のあいだ、何度も何度もアタックを繰り返すのだが・・・・。 映画のなかで、キアロスタミ監督役の人物が、さらに映画を撮っているという構成。気を長くして、繰り返されるカットに挑まないと、やはり眠気が襲う。 テイク1、テイク2・・・・・・テイク5くらいまで平気で続く劇中劇には、心のゆとりがなによりも評価を分けるところだろう。 ラストシーンのロングショット長回しは、果てしなく長い。オリーブの林のなかを、どんなにムシされても諦めないホセインが、延々とタヘレを追っていく場面だ。 ジグザグ道。遠のく人影。 VHSの粗い画面では、長回し早々、すでに何が起こっているのか細部はかき消され、目を凝らして、歩き去る二人の影と、ひとりで戻ってくるホセインになにがあったのか、想像を逞しくして見守るだけ。 素朴で懐かしい匂いのする、ほのぼのとしたこのシリーズ。こころ安らかな精神状態のときに観るのが良かったか、、、とひとりごちる。ただ、ペルシャのステキちゃんな息吹を存分に堪能できることは、やはりかなり魅力的だった。 † † † 製作・監督・脚本/ アッバス・キアロスタミ 撮影/ ホセイン・ジャファリアン ファルハッド・サバ 出演/ ホセイン・レザイ モハマッド・アリ・シャバーズ タヘレ・ラダニアン (カラー/103分/ZIR-E DERAKHTAN-E ZEYTOON) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.09.29 20:45:35
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