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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
史上最低監督の異名を持つエドワード・D・ウッド・Jrの珍品SFホラー。 エド・ウッドがなぜに最低監督といわれるのかは、作品を見れば納得なはず。しかし、映画への愛情を感じるB級珍品は憎めない良さ。 ホラーなんだけれど、腹抱えて笑える駄作の楽しさは、エド・ウッドならでは。より楽しむには、ティム・バートンの『エド・ウッド』を先に見ておくといい。 立て続けに起こる失踪事件を追う女性記者。彼女は現場に向かう途中事故を起こして、マッド・サイエンティストの僕、怪物男に誘拐されてしまう。 祖国に見捨てられた科学者は、国を捨てて実験に没頭してきた。怪力男とともに、巨大タコを使って人間を誘拐しては、放射能による人体実験を繰り返してきたのだ。 そんな博士も、さらった女性記者の美しさには抗えず、花嫁衣装を着せてしばし愛でているのだが、、実験はついに開始されてしまう。そこへ飛び込んできた記者の恋人と、彼女に好意を寄せる怪力男と、三つ巴のゆる~い争いが幕を開ける。 陳腐な実験器具に、おもちゃの手錠に、おまぬけなタコ。突っ込みどころは多い。 邸を追われた博士は、逃げる最中、自ら作りだした巨大タコに襲われる。 博士みずからタコの足を動かしつつ、殺られるーと叫び格闘する姿には、倒れそうになる。本気のホラーか?と目を疑うかもしれないが、みんな本気でやってます。 『エド・ウッド』には、この場面を撮影している様子がおもしろ可笑しく描かれているので、やっぱり先に見ておくといいかも。 博士を演じているのはベラ・ルゴシ。ドラキュラ役で名を馳せたルゴシも、晩年は仕事に恵まれず、そんな彼を役者として救いだしたのがエド・ウッドだった。救いだされた先が、最低監督のレッテルはられたエド・ウッド作品なのは幸せとは言いがたいけれど、ふたりには友情が育まれていく。 史上最低だからこそ、いまも見る人が絶えないわけで、ステキな運命の巡り合わせ、ということで。 製作・監督・原案/ エドワード・D・ウッド・Jr 脚本/ エドワード・D・ウッド・Jr アレックス・ゴードン 撮影/ ウィリアム・C・トンプソン 音楽/ フランク・ワース 出演/ ベラ・ルゴシ トー・ジョンソン ロレッタ・キング (モノクロ/68分/BRIDE OF THE MONSTER) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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