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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
なんと、本作品も「死ぬまでに観たい映画1001本」に選ばれているのでした。 メモには、「くだらなさピカイチ」と書いてある。 おことわりを入れておくと、R-18指定、“地上で最もお下劣な人間”の座を争う人々の、ありとあらゆる変態行為が能天気に繰り広げられるコメディ。 ゆえ、ここまでですでにイヤな予感のする方には、一切おすすめできません。 家族や友人とともにトレーラー・ハウスで潜伏生活を送っている、凶暴な殺人鬼ディヴァインは、派手な化粧と衣装に身を包んだ巨漢のおばさま。 彼女の悪名に嫉妬するマーベル夫妻は、お下劣ナンバーワンの座を奪おうと必死だ。 このマーベル夫妻がまたヘンタイで、青髪と赤毛の濃いふたり。どうしようもない混沌たる俗悪の数々が繰り広げられていく。 DVDの表紙だけみると一見おもしろそうで、くだらないおバカな笑いに期待していたから、あまりのグロさにぶっ飛んでしまった。 目を覆いたくなるこのグロさ、『ソドムの市』以来かもしれない。酷い。 しかし『ソドムの市』のほうは、それでも画や構図は美しく、現代社会に対する寓意と暗喩である――という確たる見かたがあるのだ。 では『ピンク・フラミンゴ』は? どんな好意的、肯定的見かたがあるものやら。 完全版のさいごは、監督・製作など四役を務めたジョン・ウォーターズによる解説と、字幕のみだった劇場予告、映画館から出てきた観客へのインタビューが収録されている。 みな一様にして、こんな映画ははじめてだ! 最高にサイテー! とか同感に近い感想を述べている。 批評見出しに使われた「アメリカ版『アンダルシアの犬』」。これは、ないなぁ・・・。 評価する感想には、ここまで突き抜けていれば文句なし! という声が多い。 1.5倍速でしか観られないほどキツかった作品は、ほんとうにひさしぶり。 最近では園子温監督の『うつしみ』を、倒れそうになって1.5倍速でみたっけ。 こんな作品を撮る、監督ジョン・ウォーターズ氏とはどんな人物かといえば、、DVDの表紙の上にちょこんと載っている、ちょび髭でいかにも胡散臭そうなヘンタイちっくなおじさまなのだった。 このウォーターズ監督、じつは2007年にリメイクされヒットした『ヘアスプレー』の、オリジナル作品『ヘアスプレー』(1988)の監督さんでもある。ほかに『ポリエステル』など、手にとってみたいものがあるから侮れない。 それにしても肛門芸と犬のフンを食すのだけはもう観たくないと思う。 監督・製作・脚本・撮影/ ジョン・ウォーターズ 出演/ ディヴァイン デヴィッド・ローチャリー ミンク・ストール エディス・マッセイ (カラー/92分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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