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カテゴリ:チェコ(スロバキア)映画
敬愛するヤン・シュヴァンクマイエルの短編集。 DVD収録作品は「フード」、「石のゲーム」、「ワイズマンとのピクニック」、「肉片の恋」、「フローラ」、「アナザー・カインド・オブ・ラブ」、「スターリン主義の死」、そしてヤンの製作風景を映したドキュメント「ブラハからのものがたり」。 のちの長編と比べてみると、原点がみつかって楽しめそう。 「アナザー・カインド・オブ・ラブ」 「フード」 簡単な内容の中身は、こんな感じ。つねに内臓の感覚を大事にしてきたヤン氏らしい「フード」。 もっとも単調な、ほのぼの描写の「石のゲーム」。 男のピクニックを乗っとった、洋服や道具たちの暴動をユーモラスに描く「ワイズマンとのピクニック」。 料理される前の、わずかな時間を戯れる二枚の肉のダンス、「肉片の恋」。 食物で作った人体が不気味な、アルチンボルド風「フローラ」。 粘土の男女が奇妙な形で愛しあい、理解し合う様を描く「アナザー・カインド・オブ・ラブ」。 チェコの歴史を、ユーモラスに痛切に生々しく表現した力作「スターリン主義の死」。 「肉片の恋」 「アナザー・カインド・オブ・ラブ」 チェコには、シュールレアリストが現役で活躍する場が、まだちゃんとある。占領の歴史を繰り返してきたチェコの国民は、言葉にできない感情を、伝統的な人形アニメーションの劇に託して伝え継いできたのだと、どこかで聞いた。 グロテスクでも、触感的でも、生命と繋がった芸術表現はこのましく、わたしはこの映像表現が好きだと、あらためて思った。 ヤン氏の新作はまだかしらん。『ルナシー』以降、情報がきこえてこないけど、待っているファンはきっと多いはず。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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