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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:アメリカ映画
(あらすじ)慎ましい生活を送りながら、30年間に渡ってお気に入りの現代アートをコツコツと買い集め、いつしか全米きってのコレクターとなってしまった一組の老夫婦の人生を見つめたドキュメンタリー。 入場無料の国立美術館にアート・コレクションを寄付したふたりの家は、1LDKのアパート。 この狭い室内に、ところ狭しと展示保管されていた2000点に及ぶアート作品は、大型の引っ越トラック4台分というからすごい。 子どもに恵まれなかった夫妻は、我が子のようにアート作品を愛する。 寄付したあとの気持は、まるで無事大学を出したみたい―だそうだから、なるほどーと微笑ましかった。 手当たりしだいではあっても、深い知識と洞察と審美眼を持つ夫ハーバートだからこそ、成せるコレクションセンス。 個性あふれる現代アートが、寄付後に上下左右間違えて飾られているのを見て、彼が飄々と指摘する場面などおもしろかった。 監督はニューヨーク在住の日本人女性ジャーナリスト、佐々木芽生。こちらがデビュー作。 ドキュメンタリーの作風自体は、特にこれといって珍しさのないシンプルなものだけれど、夫妻の真似できない執着と徹底ぶりはとても伝わってきた。 アートをコレクションするというと、ちょっと敷居が高く思えても、夫妻のルール、自分たちのお給料で買える値段であること――これを聞けば、自分が気に入ったものを純粋にただ集めていく楽しみに、特別なことはないんだと気づかせてくれる。 <アート>との付き合い方を、よい方に再認識させてくれた良作だった。 監督・製作 佐々木芽生 音楽 デヴィッド・マズリン 出演 ハーバート・ヴォーゲル ドロシー・ヴォーゲル (87min/HERB & DOROTHY) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.09.24 09:55:43
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