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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:映画
岩井俊二監督のデビュー15周年記念DVD『initial イニシャル』のなかの2作品。
『雪の王様』 関西テレビ「TV-DOS-T」より 全編ほぼ、主人公二人のモノローグ。 独白が苦手であまり楽しめず、岩井俊二らしさはまだ見えない。 <青山のデザインオフィスで事務をしている康子(石橋有紀)と、同僚のコウちゃん(梅田凡和)の恋物語――> 惰性的なふたりの関係は救いがなくて・・・康子が抱えた多額の借金も、捨て猫を拾うようなコウちゃんの愛し方も、ぜんぶが悲しい。 監督自ら名付けた "危ない生活シリーズ" の一作だそうだが、危ないというよりは地に足のつかない都会人の、あぶなっかしい生活を切り取っている。 タイトルと内容の繋がりはなんだろう。 はじまりと終わりの康子によるモノローグ。 「幼いころ、初雪が降ると玄関いっぱいに雪だるまを並べた――」という台詞。大人になってからの雪だるま式借金と、語呂合わせ的にややつながっている、、けど、そんなわけないか(笑) 『ルナティック・ラヴ』 フジテレビ「世にも奇妙な物語 冬の特別編」より ひとむかし前の「世にも奇妙な物語」はおもしろくて好きだった。気づけばきっと観ていたはずだけれど、この作品は残念ながら記憶にないのでした。 カメラマニアの男(豊川悦司)が、妄想の恋人(ちはる)につきまとい、殺人を犯していく・・・・。 一口で言えばストーカー。『Undo』を彷彿とさせる豊川悦司がいい。それもそのはず、この2作品は同じ年(1994)に作られている。 画の表情が、慣れ親しんだ岩井監督のもので、真っ赤な画面に差し込む青い光の演出など、たまらなく好きで、15分ほどの小品ながらおもしろかった。 こちらも "危ない生活シリーズ" なんだって。 こんないい男が町で見かけた女性を一方的に想い、屋根裏部屋に籠って悶々としているってすごい画だなー、いまとなっては。 彼氏と一緒にいる彼女を見つけて、逆上して家にのり込んでくる、狂気の若きトヨエツが見られたのはひとつの収穫だとおもう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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