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行きかふ人も又

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2012.01.03
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カテゴリ:日本映画
 覚悟してはいたものの、なんともおぞましい園子温ワールド。
実際に起こった " 埼玉愛犬家殺人事件 " をベースに、ふとしたはずみから極悪非道な男の片棒を担がされ、後戻りの出来ない殺人事件に巻き込まれていく男の姿を描く。

小さな熱帯魚屋を経営する信行(吹越)は、妻・妙子(神楽坂)と、前妻の娘・美津子との三人で細々と暮らす善良なだけが取柄の男。ある時、娘の万引事件をきっかけに、大手熱帯魚店のオーナー村田幸雄(でんでん)と知りあう。彼は、言葉巧みにその場を治め、娘の美津子は自分の店で預かって更生させよう、と申し出る。
しかし、この村田と妻の愛子(黒沢)は、何十ものバラバラ殺人事件を繰り返す狂気の極悪人だった――。

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性格俳優、吹越満氏の怪演といい、でんでん氏のこんなおやじいます! 的なイカレタ殺人鬼といい、お色気ムンムンの黒沢あすかといい、ガンガン役者の魅力を引き出すのが園子温監督なのだなぁ。とにかくものすごい。
あれよあれよという間に、村田夫婦の魔の手にかかり、ヒト殺しの手助けをするはめとなった信行は、愛する家族のため、おぞましい血みどろの裏世界に足を踏み入れていく。
いつしか、夫妻を凌ぐ強靭狂気の男へと変貌を遂げるところなど、敬愛する塚本晋也作品にも通ずるところがあってぞくぞくした。エログロなところも似てる。
さいきんの韓国映画を観ていると、究極までエグサを追及していて圧倒されてしまうけれど、日本にもこういった監督さんがいることで、そっち方面の未来は明るい気がしてしまいます。

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映画にでてくる熱帯魚って、いいね。『シュリ』(古っ!)とか『FRIED DRAGON FISH --』とか、ドラマ『ケイゾク』も真山さんが金魚飼ってたっけ。魚を飼ってる人物を偏愛する傾向があるかもしれない。でんでんさんはともかく、この吹越満さんがブチ切れた果てにみせる男ぶりに惚れぼれした。
それに負けないのが、『六月の蛇』が素晴らしかった黒沢あすかさん。彼女の色気と狂気の凄味は、もう半端ないです。  
蛇足ですが、園作品に出演目白押しの女優・神楽坂恵さん、本作撮影後、監督とご結婚なされたそう。


     監督  園子温
     脚本  園子温  高橋ヨシキ     
     出演  吹越満  でんでん  黒沢あすか  神楽坂恵

     (146min)







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Last updated  2012.01.03 20:22:22
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