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テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:本
数年前手に取ってから、さり気なく記憶に残ってきた本(と映画)。 いつか読み返したいなと思いながら、このお正月休みに、一気に読み終えた。長い長い650ページ。 ノルウェー発の不思議な哲学ファンタジーは、「一番やさしい哲学の本」。 ソフィーはごく普通の14歳の少女。ある日、ソフィーのもとへ1通の手紙が舞い込みます。消印も差出人の名もないその手紙にはたった1行、『あなたはだれ』と書かれていました。おもいがけない問いかけに、ソフィーは改めて自分をみつめ直します。「わたしっていったいだれなんだろう」 今まで当たり前だと思っていたことが、ソフィーにはとても不思議なことのように思えてくるのです。その日からソフィーの周りでは奇妙な出来事が次々と起こります…。 ソクラテス、アリストテレス、デカルト、カント、ヘーゲル、ダーウィン・・・終盤にはニーチェやフロイトまでが語られていく。誕生日を迎えて15歳になったばかりのソフィーと、謎の少女ヒルデを結びつけるミステリアスな哲学講座は、不思議で味わい深い読書感。 天動説に地動説、実存主義や進化論、イエスキリストや深層心理や宇宙・・・もうありとあらゆることが、わかりやすい簡単な言葉で考察されているのでした。中学生くらいから、大人も楽しめる一冊。 2度目なのにちっとも理解しきれないし、すぐに忘れていくのだけれど、気がつけば人として存在してしまっている自分を、ふと見つめ返すのにはもってこい。1999年の映画バージョンが久しぶりに観たくなりました。 そして来週、冬休みのさいごは旅行を予定しています。香港です。お供にと選んだ『須賀敦子全集』、しかし待ち切れずに読んでしまう。 旅情を誘うすてきな語り口は、旅先にぴったり。こんなに読み心地の良い本には、なかなか巡り会えないなー。須賀敦子さん翻訳のアントニオ・タブッキ作品はとても好きで、先日、タブッキの処女作『イタリア広場』をはじめて須賀さん以外の訳者で読んだら面白くなかった、、。これはもう相性というより他ないのでしょう。 来週までに読み終えてしまったら、2巻か3巻をお供にしましょう。 それといまは職場の女の子から借りてる『スラムダンク』も読んでいます。すごくいいのだそうで、後々がたのしみ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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