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カテゴリ:アレルヤ唱・詠唱
257 待降節アレルヤ唱(2)
【解説】 このアレルヤ唱は、降誕祭の直前、待降節の12月17日から24日の間だけ歌われるものです。「アレルヤ」句は、北海道の当別にある厳律シトー会、灯台の聖母大修道院所蔵のグレゴリオ聖歌集からとられています。「アレルヤ」にはさまれた唱句の部分は、その日の「晩の祈り」の「福音の歌(マリアの歌)」の交唱からとられています。この交唱は、すべて「おお」(ラテン語規範版ではO)を付けることから、「おお交唱」とも呼ばれています。 待降節第4主日は必ず、12月17日から24日の間になりますので、アレルヤ唱も必ずこの旋律で歌うことになります。ただし、章句の部分の歌詞は、待降節第4主日固有の歌詞となります。 前半の「アレルヤ」は旋律とテノールが、中間を頂点にして上下に動きます。一方、バスはすべてD(レ)にとどまり、アルトも最後の「アレルーヤー」がH(シ)になる以外、すべてD(レ)となっています。これは、「アレルヤ」の章句の部分でも同じく、バスはすべてD(レ)、アルトも旋律がE(ミ)で歌われるところでH(シ)になる以外、やはり、すべてD(レ)となっています。これら、主音D(レ)にとどまることで、静かに主の降誕を待ち望むこころを表していると言えるでしょう。 章句の旋律は、A(ラ)から、音階で主音D(レ)に降りてきますが、これは、「アレルヤ」が上下に動くのとあいまって、ちょうど、キリストが天のいと高きところから降誕する様子を表していると言えるでしょう。バッハの『オルゲルビュッヒュライン』の "Von Himmel kam der Engel schaar"を思い起こす方もおられるでしょうか。 【祈りの注意】 「アレルヤ」の「主をたたえよう」と言う意味は変わりませんが、D-Dur(ニ長調)のやわらかい音階と旋律、また、連続する伴奏との三度音程を生かして歌ってください。これらによって、まもなくわたしたちのところに来られる主キリストを明るく、しかし、静かに秘めながら心待ちにする様子を表してください。毎日、また、主日に歌われる歌詞も、そのような内容になっています。 章句の部分で、小節の中間で、四分音符の下に歌詞が当てられていないところは、その四分音符を歌わず、次の音にすぐに続けます。 12月17日の場合は「すべてを越える神から出た英知よー」と「よ」を四分音符で歌いますが、この主日の場合は、「わたしは主の召使い」と一息で、途中、音を延ばしたり、きったりしないで、音が変わるところも滑らかに歌います。途中で音を延ばしたり、きったりすると、歌詞の意味と音が合わなくなり、アレルヤ唱の本来の「福音に現存しておられる主キリストを迎える」こころが、持続しなくなります。 なお、主日以外の歌詞は、変更されています。これらは、「別冊 毎日のミサ 楽譜 アレルヤ唱・詠唱』(カトリック中央協議会 1992 )に載せられていますので、こちらを参照してください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.12.10 12:35:41
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