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カテゴリ:聖歌一般
この時期になると、時々受ける質問があります。それは、
聖木曜日、主の晩さんの夕べのミサの栄光の賛歌の後から、復活徹夜祭の栄光の賛歌まで、オルガンを使ってはいけないのですか というものです。 で、現在の『ローマ・ミサ典礼書の総則』(313)の規定では、「四旬節には、オルガンと他の楽器の演奏は、歌を支えるためにだけ許される。」とありますので、聖週間であっても、歌を支えるために、オルガンの伴奏を付けることは一向に差し支えありません。さらに、典礼上の規定では、四旬節は「主の晩さんの夕べのミサ」の前に終わりますから、主の過越しの聖なる三日間の祭儀、すなわち、主の晩さんの夕べのミサ、主の受難の祭儀、復活の聖なる徹夜祭にはこの規定も該当しません。 また、日本の教会の場合、儀式書である『典礼聖歌』は Cum approbatione ecclesiastica すなわち、司教協議会の正式な認可を受けており、この認可は、オルガンの伴奏も含めてのことですので、『典礼聖歌』に掲載されているオルガン伴奏は該当する典礼日において、歌を支えるものとして行うことができます。 「聖木曜日、主の晩さんの夕べのミサの栄光の賛歌の後から、復活徹夜祭の栄光の賛歌まで、オルガンを使ってはいけない」ことになったのか、その理由や根拠をわたくしも知りませんが、残念ながら、現在の正式な儀式書の規定にそぐわない習慣が、独り歩きして残っていることに問題があると言わざるを得ません。 なぜ、オルガンの伴奏が必要なのか、必要でないのかの不毛な議論をする前に、典礼における大原則である、「会衆の行動的参加」を促進すること、「祈りをより美しく表現する」こと、「一致協調を促進する」こと。この点を考えなければいけない問題です。 そして、いつまでも過去の習慣にとらわれて、一番大切なことに目を閉じ続けること、今のことを学ぼうとしないこと、そこにも問題があることを認識してほしいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.03.01 13:27:00
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