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にこにこ♪ラクラク♪楽しい我が家

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2024年09月26日
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紀勢本線(現JRきのくに線)で、あの雄大な蒸気機関車SLが走る姿を目撃した瞬間を、あなたは覚えていますか?私は、その瞬間が鮮烈に焼き付いています。あれは、まさに奇跡の目撃でした。

線路が近くにある家に住んでいた私は、幼少期の大半を祖母と一緒に過ごし、神社の前の踏切で、日がな一日、汽車が走るのを眺めていました。まだ幼い私は、まるで「鉄ちゃん」の走り出しのように、貨物列車の速さに目を輝かせ、特急くろしおの姿に心が踊っていました。

そんなある日、いつものように祖母との散歩中、いつもとは違う何かが起こる予感がしました。トンネルの出口付近で陣取り、汽車を待ちわびる私の耳に飛び込んできたのは、いつもと違う「ゴーーーー」という轟音。胸が高鳴り、何が起こるのかと身構えていると、トンネルから飛び出してきたのは――。

「真っ黒な鉄の塊が、黒煙と白煙を吐き出しながら、ものすごい勢いで走り抜けていった。」

その正面には「D51」と輝く金色のプレート。私はその圧倒的な存在感に目を奪われ、心臓が止まるかと思うほどの衝撃を受けました。一瞬の出来事だったにもかかわらず、その光景は鮮明に刻み込まれ、しばらく呆然としていました。

家に帰るなり、母親にその感動を伝えようと必死で話すのですが、返ってきたのは「そんなものあるわけない」という一言。信じてくれない母に続いて、仕事から帰ってきた父親にも同じ話をしましたが、やはり「そんなもの知らん」と一蹴されました。

私が見たものは幻だったのか?自分自身でも疑うほど、周りの大人たちは聞く耳を持たず、やがて私は「本当は見ていなかったのかもしれない」と諦めざるを得なくなりました。

しかし、それから数年後、私の目撃が本物だったことを証明する瞬間が訪れます。近所の「みなと公園」に、引退したD51が展示されることになったのです。心が踊りました。「僕はこれを見たんだ!」と自信たっぷりに父親に話をしましたが、やはり彼は「嘘を言うな」と信じてはくれませんでした。

それでも、私は知っています。あの日、あの黒い鉄の巨体が目の前を走り去った瞬間の感動を、そして、それが現実だったことを。私が目撃したのは、昭和47年11月6日のD51の紀勢本線ラストラン。確かな記憶と共に、あの時の驚きと感動が蘇ってきます。

時が経ち、思い出となったその瞬間ですが、あの轟音と蒸気機関車の圧倒的な存在感は、今でも私の心に鮮やかに残っています。何気ない幼少期の出来事が、今もなお、私を突き動かす原動力となっています。

あなたにも、そんな特別な瞬間、ありますか?









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最終更新日  2024年09月26日 20時40分09秒
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