赤ちゃんと脳科学 小西 行郎
冷静に書かれていてわかりやすい本でした。趣旨としては早期教育に疑問という感じで「赤ちゃんはみずから育つ。」というスタイルです。まずは、早期教育には弊害もあるのでは?刺激しすぎると負担になる。自然と成長していく過程のバランスを崩す。能力が優れている方が素晴らしい→そうでない子はダメ のメッセージになりかねない「賢くなったと喜ぶ」よりも、自分の子どもを見て、彼らが何を望み、どのような時に達成感を感じているのかをくみ取ることの方がよほど楽しく充実した子育てになると思います。とのことです。 その他、気になった部分は 小児科医である著者の臨床現場からの実感でテレビやビデオを見せすぎることで言葉が遅れる子供がいるそうです。原因として考えられるのはテレビからの一方通行の会話に慣れ、自分から話す機会が持てない 赤ちゃんは自分の反応を見て相手が反応してくれることで、聞いてくれていることを確認する。当たり前ですが、テレビは自分(赤ちゃん)の反応を無視する。 親子でちゃんと語りかけと“語り返し”をすることで、コミュニケーションがとれるようになるということです。あと、警察庁の報告で、非行に走った子供たちの家庭に共通していたのは、「安易に子供に謝る親」の存在。簡単に謝ることは親の不信と不安を子供に与える。親は自信を持って、等身大の自分をそのまま子供に見せればいいということです。 もうひとつは、「問題行動の後に成長がみられる」ということが書いてありました。子育てを楽にする知識だと思います。