どっちを取るか
今、歯医者さんに通っています。虫歯菌が有ると早産率が高くなると聞き、妊娠した時を考えると早く治さなきゃ!と思うものの治療予定の歯は、入れ歯かブリッジかインプラントかという選択肢となる。入れ歯は、言葉の響きがヤダし数年後に歯茎が痩せるとカタカタとなりまたその時の歯茎に会わせて作り直さないと行けない。ブリッジは、健康な歯を削って安定させないとならない。その健康な歯を削るという事に抵抗が有るんです。残るインプラントは、平たく言うと金属を埋め込んで本来の自分の歯と同様の役割を持たすもの。たまたま近所にインプラントでは、少々有名と思われる医師が居る事が解り相談がてらに通う事にしました。その歯科医ではインプラントは純チタン制。チタンは体に元々有る物質の一つなので、インプラント埋入後に歯茎は異物として捉える事が無いのか肉がどんどんと廻りにくっついていくので、安定性もあるというのです。だから、よっぽどじゃない限り取り外すような事になる事も無いし、全く自分の歯と同様に扱って構わないとの事でした。ですが心配性の私は、妊娠に際してはどうなんだろうという疑問を持ちました。そこで・・・インプラントは妊娠・出産に指し手の影響は有るかということと、胎児への影響等のデータが有るかという二つの質問を主治医に対してしました。と、いうのも近年歯に限らず以前は大丈夫だと言われていた物が実は危険だったと言うデータが数多く出て来ていますので、入れた後に気が付くというのではかなり不安です。とはいえ、胎児・乳幼児の病気がよもやインプラントのせいだというデータそのものが有るとは思えませんが、可能性の大きい物はあるかと思うのです。日常生活に支障がなくても、そう言う所で出るのも非常に困るので、インプラントを入れた後に妊娠・出産をご経験された方等がいるかもしれないとも思いました。それに対して、主治医である院長からの回答は歯科インプラントが世に出てから約40年になりますが、インプラントによる悪影響という点では報告は見たり聞いたりした事はありません。また同じチタンを使用している外科(骨折の固定や骨の移植等)では50年近い歴史がありますがその様な報告はされておりません。従って抗生物質の様に何パーセントの確立で異常が出るかというようなデータそのものが存在していません。虫歯につめる金属においてはまれにアレルギー症状を発する方がおります。私自身、25年の歯科医人生で一人だけおりました。アマルガムという金属が使用されていたのですが、この患者様はゴールドに入れ替える事で解決しましたが、ゴールドでだめだったら最後の手段としてチタンを使うつもりでした。○○様(私)のご心配は十分理解できます。私自身(先生自身)は大変気の小さい人間(笑)、なので色々な心配をしながら勉強をしておりますが、チタンに関しての為害作用は、順位としてはかなり下の方にランクされております。かえって虫歯に使う材料の方が心配事が多いのが実態です。インプラント後に出産を経験した方は何人かいると思いますが、質問、クレーム等が一度もないので、その後の様子は現在のところ異常なしということだと思います。妊娠中に抗生物質や麻酔を使わなければならない場合はごくまれですが影響が出る場合があるので注意が必要です。ということで今後も悪影響が出る可能性が大きいとは考えにくいと推測されます。という事でした。それでも、疑いや迷いは晴れません。そこで、別の歯医者さんにも聞いてみました。チタンだと歯肉が自分の一部だという認識を持つのか、体に取り込んで行くという話をお聞きしました。しかし、妊娠するということは日常生活では何ともない事であっても影響が出ると思うのです。先天性と言われる病気や後天的に出てくるアトピーなどは、辿って行くと胎児の頃の影響だと思われる事が数多く見受けられます。インプラントは入れてしまうと、取り込んでしまうと墓場まで持って行ける程永久的であり取り除くのも少々困難である分影響も大きいかもしれないという不安があります。 と。すると・・・妊娠中にインプラントの手術をすることは、妊娠中に歯の治療を受けたり、抜歯等の外科処置を受けたりすることと同様の影響が考えられますので、できれば避けた方が無難だと思われます。インプラントと、ひとくくりにされているものの中には、様々な材質のものがありますし、さらにその表面を様々な材質でコーティングされているものもあります。従って、コーティングされているものの場合には、コーティング材についての検証も必要だと思います。純チタンは化学的に安定度が高く変質しにくいことが知られています。したがって、純チタンによる金属アレルギーはほとんどないと言われていますし、そういうことが起こったという報告も聞いたことがありません。また毒性もなく、生体親和性が非常に高く、そのため骨がインプラントの周囲表面に密着結合することが広く知られています。また、インプラント埋入後に妊娠・出産を経験された患者さんは、世界的には大勢いらっしゃると思われます。ノーベルバイオケア社のインプラント治療を受けた最初の患者さんは40年前のことで、現在でも問題なくお過ごしと聞いていますが、それでも40年しか経っていません。若い女性がインプラントをしてから、妊娠・出産をし、その赤ちゃんが成長してアトピーになるかどうか、またもしなったとしても、その原因がインプラントにあるかどうかということが究明されるまでは、相当の症例数と時間がかかると思われます。アトピーと金属とかみ合わせと全身との関わりなどを研究しておられる有名な先生を存じておりますが、その先生は、たとえ純チタンであっても、金属を骨に埋めたりしないほうが安全だと言っておられます。という回答をいただきました。金属を産めない方が安全だと仰った先生の言う事も解ります。確かに、体には色々な物質がありますが、すべてにおいてバランスよく存在する事が肝要だと思うから、いくら体内にもとよりある材質だからと言っても過剰に存在すればそれなりの歪みが出て然るべきという事ではないかと思うのです。食物の栄養分も一緒ですよね。有りすぎても少な過ぎても病気になり易い。動物や植物界においての食物連鎖においても同様です。ある種だけ多くても少なくても影響が出る。またある一方で、世界で1例だか2例だかチタンアレルギーの報告があるそうです。確立は天文学的に低いがゼロじゃない。妊娠期にはつわりがあるので、口腔内の清掃状態が悪くなる。妊娠性歯周炎というのもあるくらいだし、インプラントの周囲が炎症を起こすのは好ましくない。 というご意見と同時に、出産後まで何もしなかったらどうなのでしょう?って話をつなげて、臼歯部の欠損を生じて何年か経過を追って、問題が起こってないって論文があったので、それを提示して、「心配ならご出産後まで何もしないってのもありますよ。というご意見も頂きました。私としては、仮にインプラント埋入後に、妊娠・出産を経験された方がいるかもしれない。胎児や新生児になんらかの異常が認められても、それがよもやインプラントのせいかもしれないと思った母親が少ないのではないかという気もするんです。そう思うのは、胎児や新生児に異常があったとして調べてもらってもその原因の特定が難しく粗方が”原因不明”となっている場合が多い気がするからです。だから、『インプラントが原因』というデータが存在しないのではないかと思っているのです。たかが40年では、データ不足ですよね。そしてすべての事に100%安全と言い切れる事が無いように、こればっかりは、頭の片隅において気を付けなくては行けないなと思いました。気をつけても影響が出る時は出てしまうのものですし、気を付けようが無いかもしれないけど、自分の子供にそんな影響が出てからでは後悔してもしきれない。これから歯医者に通ってインプラントをと考えつつ、妊娠を望むすべての女性に対しての問いかけであり、気に掛けて欲しいという願い。そんな思いがあったので今日のブログとしました。長文ですが、読んで下さった方、ありがとうございました。