がん薬物療法における腎機能評価 その1
先日、勉強会に行ってきた腎臓で排泄される薬剤を投与する場合には腎機能の評価が必要であるが、腎機能を表すものとして GFR、CCrなどがある。実際の現場では24時間蓄尿によるCCrを調べることもあるが蓄尿が煩雑のため、血清クレアチニンからの推算式が使われることが多い。また、その式も「Cockcroft-Gault式」による推算CCr や「eGFR」による推算GFRなどがあるが どっちがいいの?血清クレアチニンの測定方法も 日本は酵素法だから +0.2 した方がいい・・・などなど、普段 もやもやしていたことが多かったので、今回話を聞いてとてもすっきりした。以下は、そのメモです。 ~ ☆ ~ ☆ ~ ☆ ~ ☆ ~ ☆ ~ ☆ ~ ☆○クレアチニンクリアランス(CCr)と糸球体濾過量(GFR)の違い ・正確にGFRを測定するには、糸球体のみで濾過され、尿細管で再吸収されない 「イヌリン」を使用して、イヌリンクリアランスを調べる。 イヌリンクリアランス = GFR ・CCrはクレアチニンのクリアランスである。 クレアチニンは糸球体で濾過され、尿細管で再吸収されないが、 少量の尿細管分泌がある。 クレアチニンクリアランス= GFR + 尿細管分泌(10~20%ほど) ☆上記より、GFRよりCCrの方が10~20%ほど高くなる。○血清クレアチニンの検査方法 以前はJaffe法(ヤッフェ法)が主流であったが、現在日本では酵素法が主流 近年、欧米でも酵素法の割合増加 酵素法のほうが低く出る。 酵素標品の純度向上などにより、測定値は低下する傾向あり ☆血清クレアチニンの値は Jaffe法 ≒ 酵素法 + 0.2 欧米ではJaffe法を使用して血清クレアチニンを測定し、24CCrを計算していたので ちょうどCCrが補正され GFR ≒ CCrとなっていた。 (酵素法で測定した血清クレアチニンを使用して計算するとCCrがGFRより高くなる) ○CCrの推算式 ・Cockcroft-Gault式 腎機能評価においてはもっともスタンダードな式 原著での血清クレアチニン測定は Jaffe法を使用 ≪続きは また 後日に・・・・・・・≫