Never, never, never give up!
「勉強ができない子」をできるようにしようとしたとき、一番大変なのは「最初の一歩」である。「勉強ができない子」というのは、頭の中の「考える」「話を聞く」の回路が錆びついていると考えると分かりやすい。「壊れている」とか「機能しない」のではない。「錆びついて動かなくなっている」のである。それを「できない」と思っているのだ。原因は、「諦め」だったり、「怠惰」であったり、「価値観の問題」であったり、人により様々であろうが、理由はどうあれ、「勉強をできるようにする」ためには、錆びついて動かなくなった可動部分を動くようにしなければならない。それは本当に大変なのである。厳しく、口酸っぱく、話を聞くように言ったその1分後に「指示」が聞けてなくて、ポカーンとしていたり、今解説したばかりの問題の、数字や単語がほんの少しだけ変わった問題のところで、簡単に「わかりません」と言ったり、宿題を「やったけれど、ノートを家に忘れてきました」を3回連続で言ったり、目の前がクラクラすることも本当に多い。厳しく言ったり、励ましたり、誉めたり、一緒に笑ったりを何回、何十回と繰り返しながら、その子の変化を待つ。特に一番辛いのは教わる側が「変化しよう」なんてさらさら思っていないときである。意識のズレは辛い。勉強をせずに放置した時間が長ければ長いほど、変化には時間がかかる。「錆び」の進行が時間が経つほど深いのと同じである。動くようになるには時間と労力がかかる。しかしながら、あるとき、てこでも動かなかった部分が、ザリッと音を立てて動き出す瞬間がある。動き出したら、それは一気に動き出すのである。その「ザリッ」の瞬間まではしんどい。教える方もしんどいが、教わる方もとても辛い。でも「その瞬間」を乗り越えたときの喜びは快感だ。もちろん教わる方も、教える方も、である。「最初の一歩」が動きだすと、あとは速い。だからあきらめてはいけない。動くこと、つまり伸びることを信じて、頑張り続けなければならない。特に教える側があきらめてしまうことは許されない。Never, never, never give upの精神が肝要である。今日も頑張ろう。