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昨年12月16日、政府が「日本の人口減少が予想より1年早い2006年に始まる」と発表して驚いた。ところが、そのわずか6日後の22日には、厚生労働省が、すでに2005年から日本の人口は減少している(約1万人!)との見通しを発表したからさらに驚いた。
少子化が、お国の予想をこえたスピードで進んでいる。 政府が「人口減少が06年に始まる」との見通しを示したのは、2005年度版「少子化白書」のなかでだが、この文書、国際データが豊富で、示唆するところが多かった。 なかでも、長次郎尾根にとって新鮮だったのは、「女性の社会進出が進む→女性の晩婚化が進む→出産が減る」という図式が単純にそうだといえない、むしろ誤っている、ということである。 たとえば、女性の平均帰宅時間の比較データでは、出生率1.29の日本は、「家にいることが多い(専業主婦など)」がピークで43.7%。 一方、出生率1.89のフランスのピークは「午後6時頃まで」で53.8%。「家にいることが多い」はわずか4.2%。 同じく1.71のスウェーデンもピークは「午後6時頃まで」で65・6%。「家にいることが多い」はわずか2・8%。 このデータからは、まだまだ女性の社会進出が妨げられている日本、働きに出ても、余裕をもって子どものお迎えにいけるフランス、スウェーデンという姿がみえてくる。 さらに、男性の平均帰宅時間をみると、日本人男性のピークは「午後8時以降」が61.4%。「午後6時頃まで」はわずか6.8%。一方、スウェーデンは「午後6時頃まで」がピークで70.9%! 「午後8時以降」は1.8%しかいない。 残業づくめの男性が家事・育児にたずさわる時間をうばわれている日本、両性が力をあわせて育児・家事をになえるスウェーデン(フランスも同様の傾向)の姿がうきぼりになる。(以上、下図) 白書では、出生率が上昇に転じてベビーブームを迎えているフランスでは、子ども二人をもつ家庭に対して総額640万円の家族給付が支払われること(日本では120万円)、男性の8割弱が育児休暇をとるスウェーデン(日本の男性は0.56%!)では、育児休業中に働いているときの8割のお金が支給されること(日本は4割)などが紹介されている。 しかも、これらの国は、大学の学費はただ(スウェーデン)、もしくはただに近い額(フランス=1万円強)だ。 ヨーロッパ諸国でも女性の社会進出にともなって晩婚化がすすみ、その結果として、出生率が低下した時期もあった。しかし、「家庭に戻れ」とか「もっと産め」とか叫ぶのではなかった。 白書は、これらの国々では「働きやすい環境の整備が結果として出生率の回復に寄与している」と指摘している。なるほど、と思った。結婚する・しない、産む・産まないは、本人や夫婦の選択権の問題だ。大事なのは、ちゃんと選択することができる条件を整えること、というわけ☆☆ 白書がここまで諸外国の事例を研究したのだから、次のステップは日本の政策にも生かしていくことだ。これは長次郎尾根のような若い世代にとっては切実な課題。 ましてや、少子化を、私達の負担をふやすための都合のいい材料にされるのはゴメンこうむりたい(>_<) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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