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福内鬼外(月日が往く)

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四国沖、高度2万メートルで事故は起こった。
2度も。
突然の爆発。
ビジネスジェット機【スワローテイル】と航空自衛隊の【F15J】(演習機)が・・・何かに激突!?


今年初読了本です。
昨年に読み終え、まだ感想を書いていない本が多数あるのですが、
「大満足のこの本をすぐに紹介しない手はない」と思い、ゴボウ抜きしてみました。

うむ。面白かった。
間違いなく、ここまでの今年No.1。
なんてことは、何度も似たようなネタを使っているのであえて言いません。
真面目に書くと、
【05私の読了本お好みランキング1位の座】を長い間、キープする可能性大です。

読んだきっかけは、
『日本一怖い!ブック・オブ・ザ・イヤー2005』(別冊SIGHT)の中で、
大森望さんが、「今年のSFのベストワンに推したい傑作」と書いているのを読んだから。
他にこの中から少し拾っていくと、
「ウルトラマンの出ないウルトラマンみたいな話」
「ライトノベル的なものと一般小説をつなぐ橋渡しとしては理想的な本」
(大森望)
「すごいおもしろかったよ、これ」(北上次郎)  (P80-81)

ちなみに帯の文句は、恩田陸さんで
「オトナの話なのに児童文学、SFでサイコ、しかも感動作」というもの。

そんでもって、有川浩(ありかわひろ)さんの【あとがき】には、以下のようにあります。
このお話は「天空の城ラピュタ」を観ていて思いつきました (P476)


ウルトランマンに関しては、熱狂した世代というわけではないせいか
いまいち、イメージはわかないのだけれども。
一種のファーストコンタクトもので、野尻抱介『太陽の簒奪者』よりもさらにいい!
(「太陽~」も読み終えた時は「かなりいいな」と思いましたが)
分量の差もあるのでしょうが、書き込まれている。盛りだくさん。

小さい頃、【恐竜】【UMA】【宇宙】とか好きだった。
専門的な知識はないし、いづれもこの話とは微妙に・・・だけど。
(だから今でも、『もののけ化石の物語』という題にひかれたり、『占星師アフサンの遠見鏡』や、『夏のロケット』などが凄く好きだったりする)
『空の中』は、そこらへんのワクワク感を刺激するのだ。
私はちょっと幼いのかもしれない。でも、楽しむ為にはプラスだ。

具体的に内容に触れてみる。
・高知の浜で“奇妙な生物?”を発見した【俊】は、UMA好きの幼馴染【佳江】に促され、家に“生物?”を連れて帰る。が、まもなく父の事故死を知る。
・事故調査委員となった【春名高巳】は、事故を生き残った【武田光稀】から証言を得るために、岐阜の自衛隊基地へ派遣された。

ここから物語はそれぞれ動き出す。
空の中、秘密が明かされ、ついに出てきたのは・・・
以下反転 → カカミガハラ、スカイドン、白鯨、ディック、私、私と私以外の我々、全き一つ・・・ 反転意味なし?反転終了
それから、
俊と佳江の緊急避難先である【宮じい】、事故で父を亡くした【真帆】なども絡んできて、一気に!


雰囲気がつかめるかと思うので、↓に目次をそのまま書き出してみます。
(一番上と下は、プロローグ、エピローグ)

早春

子供たちは秘密を拾い、
大人たちは秘密を探し、
秘密は高度二万に潜む。
人々はそれを裏切って、
誰も彼もが未来を惑う。
混沌は不意に訪れるも、
秩序の戻る兆しはそこ、
最後に救われるの誰か。

盛夏


上でも紹介した『日本一怖い~』を見るまで、この本の存在を全く知りませんでした。
「えー、これが評判になってないの?」と思い、少々ネットで探してみましたが・・・
そんなに評価は高くないかも。ほー、そうですか。
恋愛パート?がちょっとコソバユイのと、「高巳は何故こうなのか?」(笑)が
ちょっと気になるくらいで、不満は特にないんだけどなー。
少し隙があるくらいのほうが好きです。でかい本ですが、私は夢中で読みました。

『空の中』 有川浩 メディアワークス(2004年11月初版発行)





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最終更新日  2005年01月09日 09時52分06秒
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