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福内鬼外(月日が往く)

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2005年12月02日
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約1年前のこと。
04年11月に読んだ本たち。(『理由』のみ10月)

『理由』 宮部みゆき
『博士の愛した数式』 小川洋子
『火刑法廷』 ジョン・ディクスン・カー
『黒猫遁走曲』 服部まゆみ
『13』 古川日出男
『ローマ人の物語4 ハンニバル戦記(中)』 塩野七生

博士の愛した数式
多くの人が『博士の愛した数式』をイチオシするのでは?
話題になった本屋大賞。さすがに面白い。って、もう文庫化してたのか。
確かな数字と不確かな記憶、共に美しい。
登場人物それぞれがお互いを思いやる気持ちが印象的。
算数が【壁】だった私でも充分楽しめた。

13
しかし、私にとってのベストは・・・『13』
左目だけ色弱な【響一】が持つ能力。ザイール、黒いマリア、ハリウッド、13 …
読んでいるうちに内容なんてどうでも良くなっていった。
この文体を、世界をあるがまま受け入れている感じ。
とにかく衝撃的だった。本を読むのが楽しくて仕方がなかった。
色、色、色、色。鮮やかな色彩。
映像が目に浮かぶ、というよりも頭の中でドラマが進行している。
その場に立っている自分がいた。

癖があると思う。誰にでもお薦めではない。
まどろっこしかったり、執拗だったり。合わない人にはとことん合わないかも。
でも私にはハマってしまった。面白かった。こんなことがあるから読書はやめられない。
(これで古川日出男万歳!となるかというと必ずしもそうではなく、次に読んだ『沈黙』はそれほど響いてはこなかった)

理由
『理由』はジャンルとして少し苦手な部類なのだが、アプローチの仕方が面白い。
どう繋がり関わるのか?続きが気になりページが進んだ、気がする・・・
この頃、競売物件に興味を持っていた父に対して、
知ったような顔で「素人は手を出さないほうがいいよ」と言った覚えがある。

『火刑法廷』
頑固な分からず屋。と、これまた勝手にイメージしていた【カー】。
霧が立ちこめているかのような怪しい雰囲気、謎。
じっくり味わいたい作品。

『黒猫遁走曲』
コミカルな話かと勝手に思っていたので、少々面食らった。
こういった壊れていくタイプの話は多いが、壊れ方としてはまだ許容範囲?
意外に読みやすかった。

『ローマ人の物語4 ハンニバル戦記(中)』
いよいよスキピオ登場!
既成概念を打ち破る若者の登場ってドキドキする。
もう詳しく覚えていないけど、この巻あたりめちゃくちゃ面白かった。
ハンニバル、スキピオと古代を代表する名将たち。
成り立ちを描いた1,2巻のように、出来事を順繰りに追っていくよりも、個性のある人物に注目するほうが自然に楽しめる。少しくらいは、まとめてみたいところだけれど…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
読んだ冊数はかなり少ないが、内容的には満足度高し。
特に初めて読んだ、小川洋子、古川日出男が収穫。
『ローマ人の物語』は、「ここらへんが絶頂」という話も聞くが、以後にも期待。

1年以上前のこと。ゆえに私が書いている内容はかなり怪しい。
ひと昔前ならば、軽く再読して書こう!と思うのだが…これで精一杯。

例のごとく、タイトルに深い意味はない。気にしない気にしない。





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最終更新日  2005年12月06日 19時10分34秒
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