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福内鬼外(月日が往く)

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引っ越してきた借家で「前の人」を意識してしまう啓二。
庭いじりをしながらそこにくる猫のことを考えているゆかり。
ゴルフ練習場の初老の男とカラスと自分の関係について考察する俊夫。
歯を抜いてからというもの元同僚の彩子のことを思い出してばかりいる早夜香。


『残響』、他一編 『コーリング』収録。

さて↑を読んでも、だから何なの?面白いの?という疑問がわくかもしれない。
はっきりいって何も起こらない小説なのだが、私は面白いと思う。
理由はよくわからないが(笑)
とりとめなくスゥーと進んでしまう流れ、独特な間合いが嫌いではない。
癖になってしまうかもしれないし、存在すら忘れ去ってしまうかもしれない。
何とも形容しがたい小説である。


啓二とゆかりは夫婦で、その家に以前住んでいたのが、俊夫と彩子。
彩子と同じ会社でかつて働いていたのが早夜香。
かといってお互いが絡み合ったりするのではないし(啓二とゆかりは別)
偶然出遭うなんてこともない。でもどこかで関連はしていて干渉されていたりする。
「そういえば最近、私はこんなことを考えている。」的な話が淡々と続く。
思い出したり結びつけたり意味付けしてみたりすることは、それぞれ違う。
読む人にとっても、ハッとしたり、どうでも良かったり、印象はかなりかわってくると思う。

関心を持つとかおもしろがるとか、あるいは心配するでもおこるでも、
感情が動くということはとても個人的なことで、本人にとってはどうということではなくても相手にしてみれば剥き出しのものを見せつけられたような気分にさせられることがある・・・
(P141-142)

おっと、私は最近見せ付けすぎかも。こんな意識は欠けていた。

もう一作品収録されている『コーリング』(こちらのほうが順番は先)は、
かつて【コーリング】という会社で働いていて今はもうバラバラになった人々を中心に、
あーだ、こーだ、と思いながら毎日過ごしています、といった内容。(紹介、雑すぎるか)
なかでも、“誰と誰が似ていて、きっとあの人なら…”というのが多い。

少し前にやっていた【JT】のCM
http://www.jti.co.jp/JTI/delight/corp_cm/myd_003.html
のような、たたかみかけ方(?)といったらいいだろうか。(展開の雰囲気だけだが)
落ち着かないといえば落ち着かないし、
目移りするのが何となく楽しいといえばそういえないこともない。


関連性、連続性、類似性。???
実のところ、この小説で何を言いたいのか、何がやりたいのか、
全く私はわかっていない可能性も大いにあるのだが、
国語のテストでもない以上、どう読もうが私の勝手だろうから、
あまりそんな深そうなことは気にせず、何となく気持ちよさげにフワフワと読んだ。
一話が80ページほどで、飽きる前に終わるのもいいのかもしれない。

また読んでみたくなる。と思う。

『残響』 保坂和志 中公文庫 (2001年11月初版印刷)





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最終更新日  2005年07月22日 19時31分30秒
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