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失明し音曲の道に精魂を打ちこみ、後に師匠として門戸を構えた【春琴】。
その春琴に仕え、恒に添うように近くにいた【佐助】が選んだ路。 二人にみえた世界は… し び れ た・・・ ページを開くと、その句読点の少なさに「しんどそうだな」と思うのだが、 いざ読み始めてみると・・・不思議に苦にはならず心地よさすら感じてくる。 谷崎の文章が美しいというのは、どこかで聞いたことがあるけれども、 この感覚がそれなのだろうか。まぁあまり深く考えるのはやめよう。 物語としてもとても面白い。 「春琴伝」という書物ありき、という構成も見事。 実は、徹夜で飲んだ帰りの電車の中で読んでいた。 ある場面の描写で、眠気が一気にぶっ飛んだ。ゾッときた。 すげぇ。活字の力ってやはり凄い。 友人(今はなかなか会えない)が谷崎を研究していて、 論文やら共著やらでその成果を発表している、ということもあって、 ずっと読んでみたいと思っていた作家。 ようやく読めた。魅力を理解出来ているのかはわからないが。 この『春琴抄』は、そんなに長い話でもないし(新潮文庫で本文74ページ)、 とっかかりとしては良いのではないだろうか。 いやまぁ、他を全く読んでいないのもっと相応しい作品があるのかもしれないが。 他の作品も是非読んでみたい。 『春琴抄』 谷崎潤一郎 新潮文庫 昭和26年1月発行(平成11年11月 97刷) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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