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2008/09/15
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   狂言 「鬼 瓦」
      大名:野村万作   太郎冠者:竹山悠樹


    〈あらすじ〉
    長期在京した遠国の大名が帰郷するにあたり、太郎冠者を伴って因幡堂の薬師如来へ
    参詣に出かける。
    参詣の後、薬師如来を勧請し、堂を国元にも建てたいと、境内を見物しはじめる。
    ふと目に留まった鬼瓦を見ているうち、大名は泣き出す。そのわけは・・・
(パンフより抜粋)



大名が因幡堂の造りを「御厨子(みずし)」「須彌段(しゅみだん)」「来迎柱(らいごうばしら)」etc.と、言葉と目線と体の向きだけで表現していく様は、万作さんならではの技の深さを感じました。
因幡堂が目の前にあるかのような表現力。 すごいなぁ。

かと思えば、打って変って、屋根に載ってる「鬼瓦」を見て号泣したりするんです。
何で泣くのかと思えば。。
郷で待っている妻の顔にソックリだと泣いてるんだなぁ。
それも懐かしがって泣いてる。
って、それはほのぼのとしていいのだけど、妻の顔が鬼瓦にソックリなんて~。
そこら辺が狂言らしくって、面白いところですよね。

万作さんが鬼瓦の顔の特徴を一つ一つ事細かに言うところは、本当に面白おかしくて(≧∀≦)

泣かなくても、もうすぐ会えますよ。と、太郎冠者に言われて、「それもそうだ!」と、今後は二人で笑いあって終る、笑い留め。

泣いたり笑ったり。何かにつけ、美しい所作の万作さんの魅力満開な「鬼瓦」でした。

   mureturu-line1.jpg

    狂言 「泣 尼」
     僧:野村萬斎  施主:野村万之介  尼:石田幸雄


    〈あらすじ〉
    親の追善のために堂を建立した田舎者が、供養僧を求めて上京。
    たまたま見かけた寺の僧に法談を依頼する。
    僧は最初断るが、お布施の額を聞いて引き受ける。ただし、説法は下手。
    そこで、分け前を渡すと言い含めて涙もろい尼を泣き役として連れて行く。
    ところが、いざ法談を始めると、尼は居眠りを始める。
    僧の咳払いではっとするのも最初だけ。
    高座をたたいたり、法談に事寄せて起こそうとしても効果なく。ついに・・・
(パンフより抜粋)



まずは、萬斎さんの白装束に萌ぇた(笑) えへへ。ヲタですみません。

田舎から出て来た依頼人の頼みごとを理由をつけて一旦断るところは、「一見さん。お断り!」
の京都らしさがにじみ出てるような気がしましたね~。
そして、お布施の額を聞いて気が変わるところも、せこい関西人の商売根性が見え隠れしてる感じで、
なんか親しみやすかったです。

徳ある僧も金儲けには目が眩むのでしょうか。そんな法談が果たして親の供養になるのかどうか。。
その辺をチクリと皮肉ってるのが、隠れた見どころかも。

自分の説法などまだ未熟だから(みんなすぐ寝ちゃうらしい~)泣き役の尼さんでも連れていけば
施主に対しても面目が立つだろうと、「お布施の半分をあげるから~」と金で釣って連れていくのだけど。。

尼さん。肝心な時に寝ちゃってる(笑)
段々、頭がこっくりとなっていく様子がホントに面白かった。
ってか、石田さんの尼さんはハマり役ですね。
あんなに尼さんにピッタリな人は見たことがないな~。
茂山千三郎さんの尼さんもピッタリだけど、同じくらいのレベルだわ。

咳払いしても、台を叩いても、法談の中に「泣き」という言葉を入れて促しても、全く反応しなくなってしまいにはゴロンと転がって完全に寝てしまう尼さん。

この時の僧の表情と尼さんの所作の「間」がナイスでした。
僧の方が泣きそうになってるもんね。
結局、尼さんはずーーっと寝たまんまで一回も泣かず。。
法談がすっかり終った頃に「ありがたいお話で。。」と号泣~。って、遅すぎだわさ。

でも、約束の布施をチョーダイと僧に所望する尼さんの根性に参りました。
もちろん僧にすれば、そんな馬鹿な話はないわけで。
「やらん!」「くれ!」「やらん!」「くれ!」の争いが起こり、最後は尼さんに追われて逃げちゃうんだよね。
って、二人ともがめついからこんな事になるんだよ~。

この演目、僧役はお着替えに一旦、退場されるのですね。
最初は白い着物姿だけど、次は墨染衣装に袈裟で登場。
短い時間での早変わりも見どころのひとつかも。

法談が下手な僧さんかもしれないけど、萬斎さんのお声の素晴らしさは絶品な訳で。
「あれが“引き”の声なんだろか~」と時折感じながら、聴き入ってました♪
ホントに聴き応え充分というか、惚れ惚れするんだよね、あの声に。

石田さんの尼さんも良かったし、万之介さんの実直そうな田舎者も良かったし、何回も見たくなる演目だな~
って思いました。

   mureturu-line1.jpg

   狂言 「首 引」
    親鬼:野村萬斎  鎮西八郎為朝:深田博治  姫鬼:高野和憲
    鬼:月崎晴夫、竹山悠樹、中村修一、時田光洋、岡聡史


   〈あらすじ〉
   鎮西八郎為朝が九州から京都へ帰る途中、播磨の印南野を通りかかると鬼が現れる。
   為朝に襲いかかった親鬼は、秘蔵の姫鬼に人の食い初めをさせようと思いつく。
   呼び出された姫鬼は、食べようとして為朝に近づくと扇でたたかれ、泣きながら
   逃げ帰る。
   勝負に負けたら食われてやろうと為朝に提案され、腕押し・すね押しを試みるが、
   豪傑の英雄に姫鬼はとてもかなわない。
   そこで首引きとなり、親鬼は一族を呼び出して加勢させるが・・・。
(パンフより抜粋)



鬼。。鬼です、鬼。
本来、怖~~~い筈の鬼が、とっても人間的で愛嬌があり情が深いときてる。
萬斎さんは赤頭のパパ鬼さんでご登場~でした♪

「面というフィルターを通すと、一段と変身気分を味わえる」(萬斎さん談)

と、仰るように嬉々としてパパ鬼を楽しんでらっしゃったんじゃないかしら。
姫鬼可愛さに為朝を叱りつけたり、泣く姫をなだめたりすかしたり。

そんなに聞き分けないこと言うと「つめつめするぞ!」のセリフがツボでした☆(≧∀≦)☆

姫鬼の高野さん。キュートな姫でしたわ。
鬼さんなのに、ウブなんだもの。そして、人間にぶたれて泣く、泣く~。
泣きながら小走りにパパのところに逃げるのが可愛くって。
パパとしても、ついつい甘甘~になりますわよね。

人間の為朝は、鬼も恐れぬ剛の者。
姫なんぞに負けてたまるか!と、容赦なく傷めつけるんだよね。
深田さんは体躯が大きいので、とても強そうに見えた!

鬼といえども、相手は若い女。
腕押し・すね押し・首引きと、体を密着させての勝負はどこかエロちっくでもあるな~、と思ったら、
パンフの演目解説のところに「艶めいた雰囲気」と書かれていたから、その感想は間違ってなかったのね。

結局、一族が加勢しても為朝に負けて逃げられちゃう(笑)
なんとも親しみのある鬼一族でした。

萬斎さんの「跳び返り」(跳んでクルッと回って着座)が見れたし、面付けての華麗なる舞台上の動きも
拝見出来ました。 楽しいお調子唄も心地よかった。



今回はルビコンさんとみやこさんに再会も出来ましたし、ホントに楽しい充実した時間を過ごすことが出来ました♪

相変わらずお美しいルビコンさん。 お着物姿があでやかだったみやこさん。
楽しい時間をありがとう♪
また、ご一緒出来る日を楽しみにしています。


そうそう、パンフの最後に来年の「ござる乃座」の日程が載っていました♪

      「ござる乃座」 in NAGOYA 12th   
    平成21年10月10日(土) 14時開演予定 名古屋能楽堂

      「ござる乃座」 in KYOTO 4th
    平成21年10月31日(土) 14時開演予定 金剛能楽堂


だそうです。今度は2公演とも土曜日なんですね。それも10月。
10日は。。運動会シーズン真っ盛りですなぁ。来年は京都に行こうかな。






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最終更新日  2008/09/15 01:57:41 PM
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