『春秋座 狂言立ち合い』
京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター企画公演(企画・監修 渡邊守章)
2010年2月20日(土) 京都芸術劇場 春秋座
昼の部 13:30会場 14:00開演
[三 番 叟]
三番叟:野村萬斎 千歳:野村遼太 後見:高野和憲・深田博治
笛:一噌幸弘 小鼓頭取:大倉源次郎 脇鼓:上田敦史・吉阪一郎 大鼓:亀井広忠
[蝸 牛]
山伏:茂山千五郎 太郎冠者:茂山逸平 主:茂山茂 後見:茂山正邦
笛:一噌幸弘 小鼓:大倉源次郎 大鼓:亀井広忠
[トーク]
司会:渡邊守章 出演:野村萬斎 茂山逸平
ずーーっと楽しみにしていた「春秋座 狂言立ち合い」
東は野村万作家、西は茂山千五郎家が同じ舞台で狂言の「立ち合い」をするという企画。
演目は「三番叟(三番三)」と「蝸牛」。
萬斎さんの三番叟が見れる~~!? こんな嬉しいことはこれから先、あるかないかわかんない~。
という事で、早々にチケットを取って、今日、めでたく(?)萬友の「あんず.さん」と行って参りました。
私は昼の部だけを鑑賞しましたが、夜はイッペちゃんの「三番三」&萬斎さんの「蝸牛」と、演目と演者が逆になるという美味しい企画です。
楽しみにしていた甲斐がありました♪ 萬斎さんの三番叟~~。凄かったです。
萬斎さんの三番叟を拝見するのは2回目でしたが、初見の時は席も遠かったしポーっと観ていただけで終ったけど、今回はこれ以上前がない!という席からの鑑賞でしてね。それもど真ん中。
「お~~さえ、おさえ。よろこびありや~。よろこび、あり~や~」
と、すんごい勢いで前にドーっと出てこられた時は、恐ろしい程近い距離になって、目がクラクラしてしまいました(笑)
客席の最前列と舞台の間が凄く狭くて、萬斎さんが舞台ギリギリまで出て来られると、「落ちないでね!」と思わず手を出してしまいそうになるくらいだった。
花道のある会場だったので、揉之段の途中で花道の奥まで勢い付いて行かれたりして「ならでは」の演出もありました。
萬斎さんの舞う三番叟の寿ぎの風を受け、キラキラ☆彡と光る汗を見、狂言足袋の縞模様までも確認し、鈴之段で黒式尉の面を付けられたときは何故かホッとし、鈴を持つ手の指が美しいな~と魅入り、力強く踏み鳴らす足の運びにオーラを感じ。。などなど。。
見ている内に嫌な事を全て洗い流して、「きっとこの先は良い事があるに違いない!」と、希望を持たせてくれるありがた~い三番叟でした。
千歳の遼太クンも、狂言師としてすっかり板について来ました。
たくさんお稽古なさってるんだろうなぁ。 張りのある声で良く響いてました。
囃子方の面々も、これ以上ないでしょう~という贅沢な布陣で、小鼓頭取の源次郎さんが発せられる「ざ・ざ・ざ・うん」(こんな風に聴こえた)という音頭取り(?)のような声が聴こえたりして、とっても新鮮だった。
大鼓の広忠さんは、そりゃもうストイックなまでに真剣勝負をなさっているし、この舞台上の誰にも負けないぞ!という気迫がありました。
その辺の対抗心は萬斎さんも大いにお持ちのようで、後であったトークの時に「客席にというよりも、囃子方に向かってグワーとパワーを出している。」と仰ってました(笑)
千五郎家の「蝸牛」は、千五郎さんの山伏とイッペちゃんの太郎冠者の間合いと謡いがとっても面白く、最後は会場もノリノリでした。
イッペちゃんのホノボノとした味が可愛くて、一緒に謡い舞いをしたくなるような楽しい茂山家の蝸牛でした。
こちらも、花道から山伏が登場し、最後はみんなで花道へと退場となる演出でした。
花道があると、後ろの席の方にも演者が良く見えていいですよね。
花道のそばなら尚更です♪
トークの内容は、三番叟の囃子の音というんですか。。楽譜がね、きちんと決まっていなかったのを、広忠さんのお祖父さまと、萬斎さんのお祖父さまが話し合って、舞いに合わせた音にされたという事や、神聖な三番叟の形を、「大昔は面白ろおかしく変えて演じていた時があったようだけど、そんなことはしないですよね?」という渡邊先生の質問に対して、イッペちゃんは「ロックde三番叟」や「ピアノde三番叟」をした事がある。。。などと言われ、萬斎さんが「ロックって?!」と驚かれたり、「頭振ったりとか~」て、ロックライブの観客のように頭を上下に激しく振りまくる~、なんて事をされてました。
萬斎さんは「噴水つきの三番叟」をした事があると(笑)
鼓の音にあわせて、噴水がドバーっと上がるという演出。そりゃもう、上がりっぱなし(笑)
それぞれ、詳しいレポは後日にでも♪
今日はいつもネットでお世話になっているお江戸方面の萬斎さんファンの方に初めてお目にかかることができて、こちらも嬉しい出来事でした。
萬斎さんのファンの方は、優しくて良い人ばっかりで本当に嬉しい。
こういう輪がこれからも少しずつ広がって行<ように、出来るだけ足繁く公演に出かけたいな~って思います。
ホントにお腹一杯になる企画公演で、夜の部もさぞかし魅力的な内容であったろうな。。と思います。
こんな素晴らしい公演を京都でして下さってありがとう~。 渡邊先生、様様~です♪