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2010/04/28
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◆[諜生種(ほうじょうのたね)]

 <あらすじ>
  嘘の上手な伯父(万之介)に対抗しようと、甥(たかのん)は法螺話を作って伯父を訪ねる。
  しかし、「富士山に紙袋を着せた」と法螺を吹いても、「琵琶湖に茶を点てて飲み干した」
  と、言い負かされてしまう。
  何度も挑戦しても勝てない甥が、話が上手になる秘訣を伯父に聞いたところ、“諜生種”
  という嘘の種が庭に埋めてあるという。早速、庭のあちこちを掘ってみると・・・。

「諜生種」は去年、京都のござる乃座で萬斎さん&裕基くんの親子コンビで拝見したのが未だに印象に残っています。
法螺吹き上手な伯父と、そんな伯父に勝ちたい甥の有様が、萬斎さんの親子関係に直結しているようで、とても面白かった。
裕基くんの、一生懸命に勝とうという甥の意気込みが伝わって来て応援したくなったものです。
で、今回は万之介さんの伯父さんと、高野さんの甥というコンビ。
さすがはベテランさんらしく、セリフも落ち着いた感じを受けました。
嘘の付き合いのところは動きらしい動きはほとんどなく、セリフ重視なので大法螺の内容が想像しやすかったです。

万之介さんは面白いな~。舞台に登場される雰囲気がちょっと違う。纏っているオーラが柔らかいというか、ゆるいというか。
いつも出て来られるだけで、「くすっ」っとなるから不思議。
たかのん(高野さん)は、ちょっと声の調子が悪かったかな。声というかノドというか。
少しいつもより通りが悪かった気がします。気のせいかもしれないけど。
ですが、伯父に勝とうとするけど、やっぱり最後にはコテンパンに負けてしまう、音は正直な甥をハツラツと演じてらっしゃいました。

復曲されたという「諜生種」をまた拝見出来て良かったです。
琵琶湖や三上山が嘘話に盛り込まれているのも嬉しいことでした♪


◆「八句連歌(はちくれんが)」

  <あらすじ>
    貧しい男(万作さん)が以前連歌の友(石田さん)に借金をしたが、なかなか返済できないため、
    せめて一言なりとも謝っておこうと出かけていく。
    友の男は、また借金にきたのかと一旦は居留守を使うが、貧しい男が庭の花を読み込んだ
    侘びの句を託して帰っていくと、思い直して男を呼び戻す。二人は借金の駆け引きを巧みに
    読み込んで、連歌をしていくうちに・・。


いや~。凄くほのぼのとした味わいのある曲でした。最後の余韻にいつまでも浸っていたいというか。。
世の中、こんな風に収まる事はごくごく少ないだろうけれど、こういう心の余裕を持ちたいな~と考えさせられました。
劇場版という事で、スクリーンに桜が浮かび、八つの連歌が書かれた紙が舞台上から垂れ下がり、二人が句を詠むごとにその句にスポットライトが当てられて、視覚的にも理解が深まる狂言でした。
萬斎さんが解説の時に、「京都の茂山家では、年末に(舞台を)やる事が多いのですが、うちでは桜の咲く春にやります。」と、仰ってました。
やはり、桜を愛でる歌を貧者が詠うからでしょうね。でも、茂山家は「借金」の方に重視をおいているのかも(笑)
年末は、資金繰りで商売人は大変ですからね。借金の取立ても、期限伸ばしも、奔走する人が多いんでしょう。(特に関西は。。)

貧者役の万作さんは人の良さが滲み出ていて、何とか謝りたいという気持ちを遠慮がちに出しているのが、とても微笑ましかった。
さすがですよね。ホントに。素晴らしいです。
相変わらず、ボキャ薄で適切な言葉が浮かびませんが、それ以外、言葉が浮かばないのです。

友の男役の石田さんは扇で顔を隠して居留守を使うところが面白かったし、帰ろうとする貧者を呼ぶ時、
「万作~。万作~。」と思いっきりお師匠様を呼び捨てにしているところが、ツボでした。
二人の師弟関係を知っている者にとっては、一瞬、「ええのかいな?!」と妙な心配をするシーンでありました。結構、何度か呼び捨てにしていたので、そのたびに「クスクス」笑いが。。

結局、最後は石田さんが「連歌の礼だ」と言って、借金の借用書を貧者に返してチャラにしてあげるという、ホントに現代では有り得ない大団円で終るのです。
あの素敵な余韻は、本当にいつまでも心に残るものでした。
きっと、万作さんと石田さんのコンビだったから、というのもあるんでしょうね。
二人の絆がそのまま反映された感じでした。


  ◆「花折(はなおり)」

 <あらすじ>
   新発意(萬斎さん)が、住持(万之介さん)から留守番と庭の満開の桜の番を言いつけられる。
   早速、花見の客がやってくるが、新発意が中に入れてくれないので、仕方なく垣根の外で
   酒宴を始める。
   酒宴が気になる新発意が、一人を庭に入れると皆がついて入ってきてしまい、結局新発意も
   加わっての花見となる。
   次々と謡い舞ううち、すっかり気持ちの良くなった新発意は・・・。


20分の休憩中に、舞台の仕様が普通の能舞台風に変わりました。(それまでは、中央に演じる舞台が設えられ、左右に橋掛かりがある仕様でした。)
けれども、橋掛かりと舞台の境目に寺の門らしき作り物があり、舞台上部奥からたくさんの枝垂れ桜がかかっているという視覚効果あり。
舞台の右には桜の立木がありました。(「花折」の作り物ですね)

萬斎さん演じる新発意さん。住持から「今年は花見禁制だから、誰も入れてはいけない。」と言われて、住持が出かけると誰も入って来れないように門戸を閉めます。
すると、深田さんを先頭に花見客の立衆がぞろぞろと登場し、閉められたはずの門をくぐって舞台に登場~。
一瞬、観客席で「?」な反応が起こるけれど、あれは寺の門をくぐったのではなく、お寺までの道行のシーンなんですよね。

門の外で騒ぎ出す花見客の酒の匂いに誘われて~。
我慢出来なくなった萬斎さん@新発意さんのテンションが上がっていく様が実に楽しい♪
お酒を呼ばれ、歌を謡い、また酒を注いで回る。
たくさんの謡いや舞いが拝見出来て、本当に楽しい曲だった。
謡いの詞章など全くわからないのですが、最後に萬斎さんが謡われたものに「道明寺」という言葉があって、「関東の方では桜餅のことを道明寺って言うよな~」と、どこか視点の外れた感想を持ったりしました。

まあまあ、最後はへべれけに酔っ払っちゃってゴロンと寝ちゃいます。
そして、「もう日も暮れて来たから帰る」という立衆たちに桜の枝を次々と手折って、土産に持たせるというとんでもない事をしでかした新発意さん。
挙句の果てに、帰って来た住持さんにも枝を折って、渡そうとまでしちゃった~。
最後は、お約束の追い立てられての退場でござりました。
時間が経つと後ろのスクリーンの色も夕焼け色になったり、カラスが「かぁ~」と鳴いたり、普段の狂言とは一味違うもので、とても楽しかったです。
萬斎さんの酔っ払い度は半端じゃないですね。本当にお酒が好きでたまりません~という雰囲気で、こちらも手拍子でもして一緒に舞って謡いたいな~って気分にさせてくれました。

解説も含め、とっても良い狂言会でした。来年はどんな舞台になるのか、今からとっても楽しみです♪



今、歴史秘話ヒストリア見てますけど。。
私の予想を大きく裏切って、いきなり萬斎さんの安倍晴明~で始まりました~。
それも、「陰陽師2」のシーンだし(爆)
いやはや。。ゴローちゃんはどした?ゴローちゃんは。と、ツッコミたくなったわ。







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最終更新日  2010/04/28 10:22:51 PM
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