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テーマ:★パニック障害★(16)
カテゴリ:パニック障害
1996年記 25歳
『化粧品とタバコの匂いが混ざり合った異様な匂い。自分でもどうにかしろよと思う。鏡に向かい髪を束ねる。どうやら明日も寒いらしい。バッグを放り投げ、服もストッキングもブラジャーも脱ぎ捨てて、まずはベッドに大の字になる。そしてタバコに火を付ける。仰向けのまま目を閉じて大きく煙を吸い込むと、深い立ち眩みのように脳の中がぐらぐらとする。全身の血がベッドの中に吸い込まれてゆく。けだるい。 でも、このけだるさで外部からの私の存在が消される。 ベッドの底からごく内部だけの私が起き上がる。』 『今年になってもう三回も雪が降った。小学生の頃、一人バスを待つ私の上に雪が降った。爪先も小さな手の先も頭の中まで冷たくなった。小さな私の体温に触れ溶け行く雪に見惚れた。紺のオーバーコートはたちまち満天の星空へ変わった。雪の結晶を見た。 そんなことを思い出して、どんなに目を凝らしても私にはもう満天の星空は見えなかった。 ここには今の私しかいない。』 『体温だけが真実。体温だけが方向を示す。体温だけを頼りに、体温を感じたくて、私は広い海を泳いでいるのかもしれない。私の体温は溶け合う体温を求め、自分の体温を知る。どんなに迷っても、体温だけが確実に方向を示す。』 『気まぐれな時間が気まぐれに流れ、見張る。気まぐれでありながら正確に観察され、連絡され、次の気まぐれな支配者へ正確に報告される。この不変なシステムに納得しなければ、支配者以上の支配者になることはない。 ルールはただ、気まぐれであること。』 『「ピアスの穴を開けると運命が変わるって・・・」 私は19で自分の翼の調子が悪いことを知った。 24で翼が本当に折れたことを知った。 今、折れた翼の使い道を探している。 折れた翼は予想外にもろい。折れたままでも特に不都合はないとも思う。低い空しか飛べないけど。 でも、折れた翼は人一倍疲れる。高い所を思い切り飛べないから。上昇気流まで辿り着けないんだ。 だからやっぱり、そろそろ修理に出さなくてはならない。 そしたらたくさんの折れた翼を背に乗せて、高い空を飛べるだろう。 そしたらすべてを見渡せる。』 ★★★ 昔にシリーズ化しようとして忘れてたから、せっかくなので載せてみた。 一応過去の日記に、『~23歳~』というのもありますです。 机を整理してたら、紙切れにブツブツと昔書いていたものが出てきたので、PCに入れなおしたのね。 全部バラバラの紙切れに書いてあったけど、これが明るく元気な私の本当の内部だったのかもしれないね。 自分を大切にする方法を持ち合わせなかった。懐かしく、切ないね。 まあ、誰でも疑問を感じ始める年頃だわね。 ということで、雑文で失礼しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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