心の病で得たこと
やっかいな病気だけど、しみじみ落ち着いたときに考えると病気になってからこそわかったこともある。やっぱり症状のひどい時ほど心が敏感だ。お陰で見えなかったものが見えてくる。美しさやありがたい気持ちや、当たり前だったことがいかに大切だったかということ。逆に身近に思っていた人との、思いがけない心の距離を感じて悲しくなったり。今までの風景さえ違って見えだすし、五感から入ってくるものの感覚が少し変わる。どちらにしても色々なことに敏感になりすぎていて体が反応し辛いことが多いのも事実だけど、物事や周りが透けて見える。そして「これは苦手!嫌!」という部分に体は即座に素直に反応する。つまりは、それらを自分に知らせる合図が発作などの症状だ。今まで「嫌!苦手!」にあまり自覚がないタイプ程、合図が出る。私は特に「嫌!苦手!」の自覚が無さすぎたようだ。だから私は精神科の先生と話して、発作を『お知らせ君』と名付けた。お知らせ君は、私を守ろうとしてくれてる。奴は奴で私に教えようとしてるんだ。「君はこれは嫌いなはずだよ!こういうこと苦手なはずだよ!」と。だから『お知らせ君』とうまく付き合っていきたいもんだ。ある意味『お知らせ君』を目安に使えば、心に素直な自分の人生を送れるかもしれない。逆に自分がどうしたいのかわかるかもしれない。ちゃんと私が自分を守れるようになったら、『お知らせ君』は私とさよならするらしい。