テーマ:好きなクラシック(2327)
カテゴリ:オペラ
鑑賞日:2023年9月10日(日)14:00開演 入場料:3,000円(E席/4階 4列) 【主催】(財)日本オペラ振興会 藤原歌劇団公演 共催:新国立劇場・東京二期会 歌劇「二人のフォスカリ」 ヴェルディ作曲 全3幕(イタリア語上演/日本語字幕付) 会場:新国立劇場オペラパレス スタッフ 指 揮 :田中祐子 演 出 :伊香修吾 美 術 :二村周作 照 明 :齋藤茂男 衣裳コーディネーター:小野寺佐恵 振 付 :伊藤範子 舞台監督:菅原多敢弘 副指揮 :山舘冬樹、大森大輝 演出助手:手塚優子 合唱指揮:安部克彦 合 唱 :藤原歌劇団合唱部/新国立劇場合唱団 /二期会合唱団 管弦楽 :東京フィルハーモニー交響楽団 出演 フランチェスコ・フォスカリ:上江隼人→押川浩士 ヤコポ・フォスカリ :海道弘昭 ルクレツィア・コンタリーニ:西本真子 ヤコポ・ロレダーノ :杉尾真吾 バルバリーゴ :黄木 透 ピザーナ :加藤美帆 感想 藤原歌劇団の2023-24シーズンの初演公演、ヴェルディの初期作品とのことで台風一過の真夏日の下、初台まで出かけた。 初めて観る演目のため事前にストーリーを読んでいったが、動きの少ない台本。 ヴェネツィア総督の息子ヤコボが無実の罪で再審され、流刑が結審し、クレタ島へ送られ、そこで死を迎える。それを聞いた十人委員会により総督フランチェスコが辞職させられ、死を迎える。 舞台は壁がない、奥に向かって高くなっていく台上で演じられ、照明や中央に降ろされた幕と、椅子等の最小限の小道具により、宮殿の大広間、牢獄、サンマルコ広場、総督の部屋に転換されるので時代は不詳。 衣装は、男女とも現代的な黒のスーツ、スカート、シャツ。総督が唯一赤いマントを羽織り、3幕のサンマルコ広場でのゴンドラレースの場面のみ、民衆が白を基調にしたシャツやスボン、スカートを履いている。 総督フランチェスコ、息子ヤコボ、その妻コンタリーニの3人が中心で、それぞれの心境を歌い上げる。 総督フランチェスコ役の押川浩士は、その立場から息子の流刑を認めざるを得ない苦悩、最後は辞職させられてしまう無念をコントロールされた歌声で歌い、想いが伝わって来て良かった。 息子ヤコボ役の海道弘昭は、高音部で一部届かない部分もあったが、中音域はよく響く柔らかい声で歌えていた。 妻コンタリーニ役の西本真子は強目の歌声で高音域まで歌えているものの、ビブラートが多く余り美しく聞こえてこない。 幕終わりのフィナーレ含め合唱場面が多く、3団体の合同で迫力があり良かった。 全体的にテンポを落とさずにきびきびした演奏で、イル・トロヴァトーレのような前奏や美しい旋律のアリアなどヴェルディらしい音楽が聞こえて来て、フィナーレに向かって盛り上げた所は、オケと指揮者の功績でしょう。 台本的に息子ヤコブの冤罪や総督が周囲から恨まれている原因などは舞台上で一切演じられず、観客としては最後の悲劇に共感まで至らない。そこが演奏される機会が少ない理由なのでしょう。 End お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.09.16 17:21:06
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