東京春祭「マイスタージンガー」はヴァルター役が非力で・・・
鑑賞日:2022年4月9日(日)15:00開演入場料:8,000円(E席/5階 R2列)【主催】東京・春・音楽祭実行委員会【共催】NHK交響楽団東京・春・音楽祭2023東京春祭ワーグナー・シリーズvol.14楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」<演奏会形式>ワーグナー作曲全3幕(ドイツ語上演/日本語字幕付)会場:東京文化会館大ホールスタッフ指 揮 :マレク・ヤノフスキ管弦楽 :NHK交響楽団ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル合 唱 :東京オペラシンガーズ合唱指揮 :エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩音楽コーチ:トーマス・ラウスマン出演ハンス・ザックス :エギルス・シリンスファイト・ポークナー :アンドレアス・バウアー・カナバスクンツ・フォーゲルゲザング:木下紀章コンラート・ナハティガル :小林啓倫ジクストゥス・ベックメッサー:アドリアン・エレートフリッツ・コートナー :ヨーゼフ・ワーグナーバルタザール・ツォルン :大槻孝志ウルリヒ・アイスリンガー :下村将太アウグスティン・モーザー :髙梨英次郎ヘルマン・オルテル :山田大智ハンス・シュヴァルツ :金子慧一ハンス・フォルツ :後藤春馬ヴァルター・フォン・シュトルツィング:デイヴィッド・バット・フィリップダフィト :ダニエル・ベーレエファ :ヨハンニ・フォン・オオストラムマグダレーネ :カトリン・ヴンドザム夜 警 :アンドレアス・バウアー・カナバス感想 昨年に引続き東京春祭ワーグナー・シリーズの公演があるとのことで、すっかり花が散って緑の葉に覆われた桜の木が並ぶ上野へ出掛けた。 東京・春・音楽祭も今年から入場料が上がり、演奏会形式ワーグナー・シリーズは昨年23,000~5,000円が今年26,000~8,000円に。 客席は1階左右後方に一部空きがあるもののほぼ満席。舞台は張り出しが出され、昨年同様映像がないため後部は反響板あり。 映像が無い代わりに場面毎に照明で色が付けられ、これでも十分効果あり。 開演時間となり、コンマスのキュッヒル氏初めオケが舞台上に登場しチューニング。7プルト3管編成で約80名。指揮者登場し、前奏曲が大音量で奏でられ分厚い音楽に圧倒される。 合唱は1幕は裏歌、2幕は舞台上手に集まり歌唱、2幕最後に舞台奥の山台に並び約70人。オケ含め出演者のマスクは無し。 歌手は、ザック役エギルス・シリンスはじめ安定した歌声で、特にベックメッサー役のアドリアン・エレートはコミカルな部分含め表現豊かな歌声で楽しめた。 ところが、ヴァルター役デイヴィッド・バット・フィリップの歌声が響きに乏しく埋もれてしまう。1幕のマイスターの資格試験で、従来形式ではないがザックスが感じたような新しい芸術はとても感じられず、試験に落ちてもしょうがないように聞こえる。これでは、ザックスがエファへの想いを諦め、ヴァルターに託すことが出来ない。 プロフィールを見てもワーグナー作品は昨シーズンのローエングリンだけで、人選ミスと思えてしまう。 演奏会形式の場合、主役の歌唱力が落ちると段々と不満が募り、聞いて居られなくなる。結局3幕を聞かず、2幕終了時点で帰ることに。 来週の「トスカ」も聞きに行く予定だが、カヴァラドッシ役に変更があり、今から不安に。End