テーマ:歳時記(397)
カテゴリ:里山・歳時記
「あきない世傳金と銀」を読んでいたら、大坂の正月風景が描かれていた。
丙寅(ひのえとら)ぁ 巻暦ぃ 凍空(いてぞら)の下、風呂敷包みを背負い、頬かむりした初老の暦売りが、来年の柱暦を掲げて通りを行く。 ●わかえびすぅ わかえびす 新しい年、新しい札、わかえびすぅ 彼方に、恒例の若戎の札売りの声がしている。 ::: 若夷は、えびすさまの絵を描いた紙札で、上方では正月元旦の朝、夷売りが町々を回って売り歩く。 人々はこれを買って門口に張り出して、新しい年の福を呼びこもうと待ち構えている。 * 戎橋があるくらいだから、この札も売れたのだろう。 大川には、幟をはためかせた船が連なって浮かび、天満の街の界隈には、満載の荷を紅白の膜で飾り立てた 荷車が景気よく行き交う。 ●道頓堀川には艶やかな絹織りを着込んだ客を乗せた船が幾艘も並び、船頭が錦の落ち葉が撒かれた川面に竿を挿す。 ●周囲の商家の台所から鰤(ぶり)のあらを煮る匂いか、美味しそうな香りが漂ってきた。 睦月二十日の今日は、骨正月といって、鰤の骨をことことと煮出して食する習慣がある。 倹しい商家の食の中では、ご馳走の部類だった。 ■あきない世傳金と銀1■ ■あきない世傳金と銀2■ ■あきない世傳金と銀3■ ■あきない世傳金と銀4■ にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.01.04 21:51:35
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