テーマ:映画館で観た映画(8575)
カテゴリ:映画
まじめだけど、ヘンだった。 こっけいだけど、真剣だった。 トキワ荘に住むマンガの神様・手塚治虫の向かいの部屋には、あちこちに原稿の持ち込みをしながらマンガ家としてのスタートを切ったばかりの寺田ヒロオが住んでいた。 ある日、藤子不二雄のペンネームで合作でマンガを描いている安孫子素雄と藤本弘のふたりが、手塚を訪ねてトキワ荘にやってきた。 あいにく手塚は留守だったが、寺田は田舎から出てきたふたりのために食事をご馳走してやり、東京での生活についていろいろと教えてやるのだった。 その後、手塚は別の仕事場に引っ越し、上京した安孫子と藤本がその空部屋に入った。 それに続くように、トキワ荘には『漫画少年』の投稿仲間だった石森章太郎、赤塚不二夫、森安直哉、鈴木伸一らマンガ家の卵たちが次々と集まり住むようになる。 トキワ荘によく遊びにきているつのだじろうを加えた彼ら8人は“新漫画党”を結成し、寺田の部屋に集まっては、マンガの未来についての話に花を咲かせた。 トキワ荘の住人たちの兄貴分的存在だった寺田ヒロオを本木が演じ、現在、日本映画界と演劇界を支える存在となった大森嘉之、阿部サダヲ、古田新太、生瀬勝久、鈴木卓爾、さとうこうじ、翁華栄ら名バイプレーヤーたちが寺田を囲む漫画家たちとして出演。 さらに、桃井かおり、きたろう、時任三郎、内田春菊、安部聡子といった個性派キャストも名を連ねている。 「近代マンガ遺跡と呼びうるような文化財が認められたとすれば、トキワ荘は第一級の対象となるはずだった。 しかし、いまはもう取り壊されてしまって、それは夢となった。 伝説的な存在としてこれからも、おそらくは永遠に語り継がれるにちがいないこのアパートは、1953年(昭和28年)初頭に竣工と同時に手塚治虫が入居しなかったら、歴史に名をとどめることはなかっただろう。 伝説的な存在としてこれからも、おそらくは永遠に語り継がれるにちがいないこのアパートは、1953年(昭和28年)初頭に竣工と同時に手塚治虫が入居しなかったら、歴史に名をとどめることはなかっただろう。■「トキワ荘の時代」梶井純■ (文中) (トキワ荘は去年復元され、ミュージアムとなった。) 数多いトキワ荘の漫画家の中で、この本は寺田ヒロオの視点から書かれている。 仲間からテラさんという愛称で呼ばれていた寺田ヒロオは、手塚治虫の次にトキワ荘に入ったという。 もの静かな性格で、ひたすらまじめ、心優しく、何事においてもキチンとしていたそうだ。 トキワ荘には、学童社の社長の息子が住んでいたそうだ。 すでに超売れっ子だった手塚治虫の担当として住んでいたのだろう。 寺田ヒロオの引っ越しは1953(昭和28)年12月31日。 学童社の社員は実家に帰っていなかった。 手塚治虫は実家の兵庫県宝塚に帰っていた。 知り合いのひとりもいない孤独なスタートが寺田ヒロオがその後、後輩たちのめんどうをみることになったのかもしれないと文中にあった。 映画では、手塚治虫がいない間に、藤子不二雄がやってきたということになっているが、 本当は、忙しい手塚が、 「すぐもどるから一晩泊めてやってくれ」と言って出た手塚は一週間戻らなかったそうだ。 寺田は、そのまま、一週間泊めたそうだ。 なんの疑いもしないで初対面の人を泊めてやってくれと言えること、 泊めてあげることが出来ること それに甘えられることが出来ること・・・。 今はないおおらかな関係が快い。 ■トキワ荘青春日記:藤子不二雄A■ 安孫子素雄との一週間に渡る同居生活は、上京後に友人らしい友人のなかった寺田ヒロオにも印象的だったらしい。 年少とはいえ、かしこく陽気さと筋道だった思考による積極的な対話を得意をする安孫子とは、すぐにうちとけた。 もし、手塚が寺田に安孫子を託さなかったら、トキワ荘での付き合いも違ったものになっていたかもしれない。 手塚治虫がトキワ荘を出て、入れ替わりに藤子不二夫が入居。 赤塚不二夫、石森章太郎ら日本の漫画界を背負うスターが入居した。 トキワ荘はまんがの宝庫だった。 生きた まんがの参考書がゴロゴロいるのだ。 まんがのことでいきづまると先輩の部屋へおしかけ、相談した。 毎夜集ま って夜明けまでまんがを論じあった」(赤塚不二夫) 住んだことも、行ったことさえないのに、「トキワ荘」と聞くと今も懐かしく思い出す。 それは、おおらかな時代への郷愁かもしれない。 かつて豊島区椎名町(現南長崎)にあったトキワ荘は、手塚治虫をはじめとする現代マンガの巨匠たちが住み集い、若き青春の日々を過ごした伝説のアパートです。 トキワ荘は、昭和57(1982)年12月に解体されましたが、多くの皆様のお力添えにより、マンガミュージアムとして開館することができました。 マンガ・アニメを愛する皆様のご協力をいただきながら、マンガやアニメ文化を次世代に継承し発信する拠点として取組んでまいります。 ■豊島区立トキワ荘マンガミュージアム■ にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.03.09 00:04:06
コメント(0) | コメントを書く
[映画] カテゴリの最新記事
|
|