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2021.12.22
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カテゴリ:映画
世界で一番美しい少年

美しいことは罪ですか

巨匠ルキノ・ヴィスコンティに見いだされ『ベニスに死す』に出演したことをきっかけに“世界で一番美しい少年”と称賛されたビョルン・アンドレセン。
来日の際は詰めかけたファンに熱狂で迎えられ、漫画「ベルサイユのばら」の主人公のモデルにもなるなど日本の文化にも影響を及ぼした。
それから50年、アンドレセンは、熱狂の最中に訪れた東京、パリ、ベニスを再び訪ね、残酷な人生の軌跡を振り返る。
『ベニスに死す』で少年タジオ役を務めたビョルン・アンドレセンの栄光と破滅を描いたドキュメンタリー映画。
ルキノ・ヴィスコンティ監督と出会い、『ベニスに死す』出演から、日本でも芸能活動を行うなど、名声から運命づけられた彼の人生の裏側が明かされる。
監督をクリスティーナ・リンドストロムとクリスティアン・ペトリが務めるほか、漫画「ベルサイユのばら」の作者、池田理代子も出演している。

 「ベルサイユのばら」の池田理代子が映画に出ていて、
オスカルのモデルは、アンドレセンです」と語っていた。
 それなら、「ポーの一族」の■萩尾望都■や
「風と木の詩」の■竹宮恵子■も影響を受けたのではないだろうか?
 彼の顔は最高峰のギリシャ彫刻のように色白で、優しくもよそよそしさを漂わせており、房になった蜂蜜色の巻き毛、眉からすっと一筋になった高い鼻筋、勝ち誇るような口元、そして純粋で神のような落ち着きをたたえた表情をしていた。
姿形がこれだけ完全でありながら、自然であるのか芸術であるのか、だれも見たことがないほど喜ばしく完璧であるというのは、独特な個人の魅力があるがゆえだった。
——トーマス・マン「ベニスに死す」 若い登場人物タジオについての描写 (海外プレスより翻訳)

 アンドレセンの憂いをおびた顔は、男女問わず、心を揺さぶる。
その憂いは、映画の時に監督に言われて作ったものではなく、母親のいない子ども時代を過ごしたから。
父親の名前を知らず、子どもの頃に、母親が失踪。
1年後、母親の死を知らされる。
それ以後、妹(父親が違う)とは、母親のことを話したことがなかった。


彼と妹は、祖母に育てられた。
祖母は、アンドレセンを有名にしたかったから「ベニスに死す」の少年役に応募させた。
そして有名になったら、もっとお金を稼いで来いと日本に仕事に行かせたという。


また、お祖母さんは「ベニスに死す」にもちょい役で出てご機嫌だったそうだ。
 書きたいことがいっぱいあるが、「ベニスに死す」のタジオ役、アンドレセンの美しさに胸を打たれて、書けない。

「時よ止まれ!君は美しい」というCMを見たことがあるが、時は止まらない。
50年ぶりの60半ばになった、アンドレセンの姿がそれを物語っている。


ベニスに死す:愛は滅びない

▲2010年1月、下の娘、レイが旅行中に撮ったベニスの風景。▼

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Last updated  2021.12.22 11:36:59
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